公開日:2018.03.01 更新日: 2020.01.29

軽自動車タイヤの選び方

軽自動車のタイヤ選びで重要なのは普通車と異なる性能を理解することです。ホイールの外枠が小さく回転数が多いということは磨耗しやすいということです。純正以外を購入される場合の価格や注意点を併せてご紹介します。

現在、日本の新車販売台数のうち40%弱を軽自動車が占めています。軽自動車が人気となっている理由の一つとしては、ランニングコストを抑えられることが挙げられるでしょう。自動車税は普通車と変わらなくなりましたが、最近の軽自動車は燃費がとても良く、普通車に比べて車両価格も安価です。日本の道路は狭く入り組んでいるという事情もあり、軽自動車の人気が高まっているようです。

ですが、軽自動車にも様々な難点があり、特にタイヤについて気をつける点が多いことをご存じでしょうか。今回は軽自動車におけるタイヤの特徴と、タイヤ選びの際に考慮したいことをご紹介します。

軽自動車1

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軽自動車のタイヤ事情

軽自動車のタイヤは普通車に比べて外径が小さいという特徴があります。同じ距離を走行した際、タイヤの外径が小さいほどタイヤの回転数は多くなります。つまり、タイヤが路面に接する頻度が多くなり、タイヤが摩耗しやすくなります。

例えば195/65R15の普通車タイヤと155/65R13の軽自動車のタイヤでは、軽自動車がおおむね1.2倍の回転数になります。単純に計算しただけでも、普通車より軽自動車は1.2倍ほどタイヤ交換の頻度が高いということになります。

上述の摩耗はタイヤ全体の摩耗ですが、軽自動車のタイヤは偏摩耗を起こしやすいという特徴も持っています。狭い道を走行していると、右左折の際にはハンドルを大きく切ることになります。急な進路変更はタイヤに負担をかけます。

カーブを曲がる際はタイヤの外側に負荷がかかるため、中央より端が摩耗しやすくなります。また、軽自動車は小回りが利くため、車体が停止した状態でハンドルを切る回数が増えやすいことも偏摩耗の原因となります。

普通車と異なり、軽自動車のタイヤはメーカーやモデルが違ってもサイズの規格が共通していることも特徴的な点でしょう。軽自動車のタイヤは基本的に145/80R13(タイヤ幅145mm、タイヤの扁平率80、ホイール外径13インチ)か155/65R14が主流で、インチアップする際にホイール外径が15インチとなる165/55R15のタイヤを装着する場合が多いようです。軽自動車は市場のシェアが大きく、タイヤの規格も共通していることから、様々なメーカーから多種類のタイヤが販売されています。

軽自動車のタイヤは普通車のタイヤに比べて幅が狭いため、路面との接地面積が小さくなります。最近の軽自動車は、メーカーが指定する空気圧が普通車に比べて高めに設定されています。空気圧を高めに設定しているのは燃費向上を目的としているものと考えられますが、タイヤの空気圧が高いほどタイヤが円形に膨らむため、普通車のタイヤに比べて路面との接地面積はさらに小さくなります。

路面との接地面積は制動力に直結します。燃費の向上を求めるとしても、指定空気圧より高い空気圧に設定するといったことは避けた方が良いでしょう。タイヤの空気圧が高いと乗り心地も悪化してしまいます。乗り心地の悪化はドライバーの疲労に繋がるため、適正な空気圧を保つよう心がけましょう。

軽自動車のタイヤ選び

先ほど触れましたが、軽自動車のタイヤはメーカーや車種が違っても同種のタイヤを使うことができます。逆に、インチサイズが適合していても普通車のタイヤを使うことはできません。必ず軽自動車用のタイヤを選びましょう。

軽自動車のタイヤは規格が共通しているため、様々なタイヤメーカーが多種類の製品を展開しています。純正のタイヤでなくても色々な製品を装着できるため、タイヤを選ぶ際にはどれを選んだ方が良いか悩むことでしょう。評価基準は人によって様々でしょうが、まずは安全性に直結する性能を最優先事項とすることが望ましいでしょう。

タイヤの性能を判断する際は、タイヤ公正取引協議会が定める低燃費タイヤのグレーディングシステム(等級制度)に基づく表示を見ると良いでしょう。二つある指標のうち、転がり抵抗性能は「AAA・AA・A・B・C」の五段階で評価されます。

もうひとつの指標であるウェットグリップ性能は「a、b、c、d」の四段階で評価されます。転がり抵抗性能がA以上のタイヤや低燃費タイヤとして認められます。燃費の向上に繋がる転がり抵抗性能に目が行きがちですが、まずは雨天時の制動性能を示すウェットグリップ性能が高いものを選びましょう。

軽自動車2

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グレーディングシステムからは判別できない性能が操縦安定性です。軽自動車は車幅が狭いため、運転時に車体がふらつきやすいという特徴を持っています。レーンチェンジを行う際、ふらつきによって進路が急に変わるため、滑らかなルートを取ることが難しくなります。

車体のふらつきは直接的な事故に繋がる他、運転時の疲労も増してしまいます。ドライバーの疲労は事故の発生確率を大きく増大させることからも、操縦安定性が高いタイヤを選ぶことが望ましいでしょう。

タイヤ販売店のWEBサイトにはユーザーのレビューを集めているものもあります。ふらつきが少ない、安定して走れる、といったレビューが多く集まっているタイヤを探すと良いでしょう。

安全性を確保したいなら、静粛性、耐摩耗性、価格など、自分に合ったタイヤを探しましょう。軽自動車に乗っているとまずは気になるのが燃費。タイヤの転がり抵抗が小さいほど燃費の向上に貢献します。燃費が良くなると排気ガスの量が減るため、結果としてCO2排出量も少なくなります。

軽自動車3

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軽自動車はタイヤが摩耗しやすいという特徴に着目し、耐摩耗性をアピールしているタイヤもあります。タイヤの接地圧を均等化したり、素材の配合を工夫したり、トレッドパターンを改良したりと、主なタイヤメーカーがこぞって技術開発に取り組んでいます。

静粛性についても見てみましょう。タイヤが路面から拾う雑音をロードノイズと呼びます。軽自動車におけるロードノイズのうち、100Hzから400Hzの周波数帯域の音が特に大きくなるという特徴があります。ブリヂストンが開発している軽自動車専用タイヤ REGNO シリーズは軽自動車特有のロードノイズ特性に着目し、静粛性を高めたタイヤを開発しています。

タイヤ単体の価格も気になるところですが、転がり抵抗性能や耐久性に優れたタイヤであれば、それだけ経済的な負担が軽減されます。安かろう悪かろうのタイヤを選ぶと、結果として買い換えのサイクルが早まり、損になるでしょう。

また、タイヤの寿命を大幅に伸ばすテクニックとして「タイヤローテーション」があります。前後のタイヤを定期的に入れ替える、というごく単純な手法ですが、タイヤは前輪と後輪で摩耗の具合が異なるため、大幅にタイヤの寿命を延ばすことができます。タイヤ単体の価格を見るよりは、タイヤを買い換えるサイクル全体を含めたコストで判断することが望ましいでしょう。

軽自動車4

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まとめ

燃費が気になる軽自動車ですが、最も重要なことは安全性の高いタイヤを選ぶことです。まずは雨天時の制動力や駆動力を示すウェットグリップ性能、操縦安定性といった、安全性に直結する性能が優れているタイヤを絞りこみましょう。

タイヤの性能が優れていても、運転スタイルによってはタイヤの性能を十分に引き出せないこともあります。急発進、急制動、急ハンドルを避けるなど、一般的な安全運転を心がけることで、タイヤの摩耗は少なくなります。また、小回りが利く軽自動車ではありますが、静止状態でハンドルを切る「据え切り」はなるべく止めましょう。偏摩耗の原因となります。

軽自動車は普通車とは異なるポイントが幾つかあります。よく考慮して良いタイヤを選び、安全運転を心がけることで、安全性が高まるだけでなく、経済的にも嬉しい車生活を送ることができるでしょう。

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