「自分の愛車をより格好良く見せるために、ホイール塗装をしてみたい」という車好きの方は多くいらっしゃいます。
しかし、同時に「専門店による塗装は想像以上に高価でなかなか手が出せない」という方もまた珍しくありません。
そんな方々にお勧めしたいのが、DIY(=自分で行う)のホイール塗装です。
自分ひとりで塗装をするのは不可能に思えてしまうかもしれませんが、決してそんなことはありません。
塗装に関する知識や方法をしっかり学べば、クオリティの高い塗装を行うことも可能になります。
目次
DIYのホイール塗装は専門店より安価!
ホイール塗装をDIY(自分で)で行う最大のメリットは、何と言っても安価で済むという点にあります。
スプレーや研磨剤などの道具を購入する必要はありますが、作業自体は自分で行うので、専門店に依頼するよりも遥かに安価で済みます。
下記は、専門店とDIYそれぞれにおける、ホイール1本あたりの塗装費用の目安と特徴です。
専門店・・・1本あたり15,000円程度(17インチまで)
ホイール4本で60,000円となります。
ホイールのサイズが上がると値段も上がりますが、17インチまでであれば、一律料金の場合がほとんどです。
また、傷やサビなどでホイールの状態が劣化している場合、依頼できない場合もあります。
DIY・・・1本あたり1,500~2,500円程度
塗装スプレーは1,000円前後で購入できます。
また、マスキングテープやサンドペーパーに関しては<数百円程度となっているので、ホイール4本合計でも5,000~10,000円で済みます。
塗装作業に必要な道具をそろえよう!
ジャッキ、トルクレンチ(インパクト)
ホイールを外す際に必要です。
ジャッキはもちろん、ホイールのボルトを外すためのトルクレンチも必要となります。
インパクトがあるとボルトの脱着作業がスムーズになります。
カーシャンプー
ホイールについた汚れを洗うための洗剤です。
塗料の密着度を高めるために、作業前には必ずホイールの洗浄を行ってください。
スプレー塗料
ホイール塗装に必要不可欠な塗料のことを指します。
ホイール用はもちろん、車体用でも代用可能です。
マスキングペーパー
タイヤ部分など、塗料を付着させたくない部分をカバーするために使用します。
サンドペーパー(水研ぎペーパー、耐水ペーパー)
ホイール表面にできた傷や凹凸を削ったり、塗料の足付けに使用します。
製品ごとに番手が振り分けられており、これが目の粗さを表します。
数字が小さいほど粗く、大きいほど細かくなります。
ホイール塗装においては、300~400番手と600~800番手のものがあるとよいでしょう。
パテ
ホイールの大きな傷や欠損部分を埋めために用います。
粗目・中目・細目・仕上げパテの4種類があります。
粗目は大きな傷に、細目は細かな傷に使用します。
サフェーサー(サフ、プラサフ)
ホイールを研いだ際にできた小さな傷や、パテの粗い部分を埋めます。
クリアー
スプレー塗装だけでは傷などによって剥がれやすいので、補強のために塗装します。
また、艶出しや手触りをよくする効果もあります。
塗装に適した場所・作業環境は?
①換気ができる
作業に使用するスプレーにはシンナー等が含まれているものがあるので、換気ができる場所で行いましょう。
②晴れており、風が少ない
晴れていると塗料の乾きが早くなります。
また、風があると塗装の表面にツブツブができてしまうことがあるので、風の少ない日を選びましょう。
③塗料が乾く程度の温度
温度が低い場合、塗料の乾燥に時間が掛かります。
塗料の種類によって乾きやすい温度は変わってきますので、確認が必要です。
④湿度が低い
湿度が高いと塗料が乾燥しづらくなります。
85%以下であれば乾燥しますが、できるかぎり低い日を選ぶようにしましょう。
塗装工程と作業ポイント
専門店に依頼しなくても、個人でホイール塗装を行うことは可能です。
しかし、そのためにはしっかりと作業工程を覚える必要があります。
1.ホイールを車から外す
ジャッキとレンチを用いてホイールを外します。
2.カーシャンプーでホイールを洗浄する
汚れがついていると塗料やパテが密着しにくくなります。
ホイールの表面はもちろん、裏側にもブレーキダスト等の汚れがこびり付いているので、できるかぎり落としておきましょう。
洗浄後はしっかりと乾燥させます。
3.サンドペーパーで傷を削る
傷でできてしまった山をなめらかにする作業です。
ホイール部分に傷が入ると、傷の両サイドが盛り上がりますが、それを均等にならすのがこの作業の役割です。
大きな傷は盛り上がりが大きいので、目の粗いもので大きく削りながら徐々に細かいものへと切り替えていきます。
逆に、浅い傷に対しては初めから細かいものを使用します。
4.マスキングテープで塗装しない部分をカバーする
余計な部分に塗装をしないように、マスキングテープでカバーします。
タイヤ部分やエアバルブ、ナット部分、センターキャップ部分にはマスキングしておくとよいでしょう。
5.パテで欠損部分を埋める
サンドペーパーで傷の盛り上がりを綺麗にしたら、今度はパテを用いて盛り下がった部分(欠損部分)を埋めていきます。
大きな傷であれば粗目、小さければ細目~仕上げパテを用います。
ここでパテをしっかり使い分けておくと、⑤でパテを削る量が少なくて済み、作業が楽になります。
6.パテ部分の凹凸をサンドペーパーで削る
パテが乾いたら、サンドペーパーでパテ周りの凹凸を削っていきます。
この際、粗いペーパーを使用すると全体の仕上がりに響いてくるので、300~400番手程度のペーパーで全体をきれいにならしておくとよいでしょう。
7.サフェーサーで細かな傷を埋める
サフェーサーで研ぎ傷やパテの粗い部分を埋めます。
8.サンドペーパーで水研ぎする
サフェーサーの上に塗料の密着させるための足付け作業を「水研ぎ」と言います。
水をたっぷり付けたサンドペーパーで、ホイール全体をやさしく擦ります。
その際は、細かめのサンドペーパー(800番手程度)を用いるとよいでしょう。
9.マスキングテープを張り替えてカラー塗装開始
まずはマスキングテープを新しいものに取り替えます。
ここまでの作業で剥がれやすくなっている可能性があるためです。
その後、いよいよ塗装を開始します。
塗装は全体的にムラが残らないように行います。
「スプレーを吹き付けて乾燥、またスプレーを吹き付けて乾燥・・・」というように、細かく数回に分けながら重ねて塗装すると、仕上がりが綺麗になります。
10.最後にクリアーで補強する
カラー塗装が乾燥したら、仕上げにクリアー塗装をして完成です。
DIYで塗装費用を削減しよう
実際の作業工程では、塗装前の準備作業がメインとなります。
中でも、足付け作業をおろそかにすると、サフェーサーやカラー塗料等がうまく密着しない可能性があるので、注意しましょう。
塗装工程さえ覚えてしまえば、あとは体力勝負になります。
専門店に依頼すると非常に高額となってしまうので、ぜひ知識と工程をマスターして費用を大幅に削減しましょう。