公開日:2018.02.09

適切なタイヤの空気圧は?点検ペースは?

タイヤの空気圧は高すぎても、低すぎても走行性能や燃費、磨耗や操縦性などにデメリットが発生します。メーカー指定のラベルの確認、適正な状態を保つための点検ペースや充填方法、必要な費用などについてご案内します。

タイヤが空気圧で支えられていることは皆さんもご存知のことでしょう。ですが、ご自身の車の適切な空気圧を把握していらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。あるいは、ご自身の車について、適切なタイヤの空気圧は知っていても、最後にチェックしたのはいつなのか覚えていらっしゃらない方は多いのではないでしょうか。
今回はつい忘れがちなタイヤの空気圧について解説します。

タイヤ空気圧

Tire pressure

適切なタイヤの空気圧

自動車メーカーは製品モデルごとに適切なタイヤの空気圧を指定しています。メーカーが指定した空気圧を「指定空気圧」と呼びます。多くの場合、運転座席のドア周辺やガソリンタンクの開口部などに指定空気圧を示したラベルが貼られているため、確認しておきましょう。前輪と後輪で空気圧が異なる場合もあります。

空気圧は高すぎても低すぎてもデメリットが発生します。

燃費が変わる

よく挙げられることですが、タイヤの空気圧が高いと燃費が向上し、空気圧が低いと燃費が悪くなります。空気圧が高いほどタイヤと路面の接地面積が減り、転がり抵抗が小さくなるためです。ただし、空気圧が高すぎると他の様々なデメリットを生むため、一概にタイヤの空気圧は高い方が良い、とは言えません。

タイヤが磨耗する

空気圧が高すぎるとタイヤが路面に接する部分のうち中央部が磨耗しやすくなります。空気圧が低すぎると逆に両端部分が磨耗しやすくなります。磨耗する部分に偏りが生まれると、タイヤの寿命が短くなります。

乗り心地や操縦性に悪影響がある

空気圧が高すぎると空気がクッションの役目を果たさなくなるため、上下方向の振動が大きくなります。また、直進する際の安定性が悪くなります。逆に空気圧が低すぎるとタイヤがたわむため、前後左右の振動が大きくなります。また、カーブを曲がる際の安定性が悪くなります。

制動距離の増加

空気圧が高すぎても低すぎてもタイヤが路面に接する部分が減少し、制動距離が増加します。指定空気圧はタイヤと路面の接地面積を最適にできる空気圧です。

走行時のトラブル

空気圧が高すぎると、障害物にぶつけた際のコード切れ(内部破損)やバースト(破裂)が起きやすくなります。逆に空気圧が低すぎても、高速走行時にタイヤが波状にたわむスタンディグウェーブ現象が発生し、バーストする危険性が高くなります。スタンディグウェーブ現象は運転者からは気づきにくいため、高速道路へ入る前にはタイヤの空気圧がメーカーの指定通りとなっているかどうか、チェックするべきでしょう。

タイヤ空気圧

Tire pressure

空気圧の点検ペース

多くのタイヤメーカーは最低でも一ヶ月に一度、タイヤの空気圧をチェックするよう推奨しています。タイヤに問題がなくとも、ゴムの分子より空気の分子が小さいため、タイヤ内の空気圧は自然に下がります。日本自動車タイヤ協会の調べによれば、タイヤに空気を入れた後、一ヶ月後には5%~10%程度も空気圧が下がってしまいます。

ただし、先述したようにタイヤの空気圧は高すぎても低すぎてもデメリットが生まれます。多くのタイヤメーカーは、自然に空気圧が下がってしまうことを考慮しても指定空気圧の10%程度とすることが望ましいとの見解を示しています。指定気圧が220kPaであれば240kPa程度が上限ということです。かつては高速道路を走行する際には空気圧を高めに設定するべきであるとされていましたが、現在ではタイヤの性能が向上したため、無理に高めに設定する必要はありません。

走行によってタイヤが温まっていない状態の時に空気圧を測る、ということも空気圧を点検する際に気を付けたいことです。特に高速道路を長距離走るとタイヤが温まり、空気圧が通常より高めに表示されます。

以上のことを考慮すると、点検のタイミングとしては、月が変わった頃、スタッフが常駐しているガソリンスタンドに立ち寄った際にタイヤ点検をお願いするよう声をかけることが最も手軽でしょう。特に自動車を動かし始めた直後、まだタイヤが温まっていない状態の時が望ましいと考えられます。

スタッフが常駐していないセルフ式のガソリンスタンドでも、多くの場合、ドライバーが自由に使えるタイヤ用の空気充填機が設置されています。空気充填機には空気圧のメーターが付いているため、自分で空気圧を確認しながらタイヤへ空気を充填できます。

最後に、現在使用しているタイヤだけでなく、スペアタイヤの空気圧も忘れずに点検しましょう。いざ必要となったときに使えないようではスペアタイヤの意味がありません。スペアタイヤの指定空気圧は、スペアタイヤの側面に記載されています。スペアタイヤの指定空気圧は一般のタイヤの二倍程度となっているため、見た目や触った感じでは分かりません。

月に一度の点検が必要と言われても、つい忘れてしまうものです。普段から立ち寄るガソリンスタンドで月の変わり目にタイヤの空気圧をチェックできるよう、ちょっとした工夫をしましょう。スマートフォンのカレンダーアプリでリマインダーを設定したり、普段から使っている手帳の月初や月半ばに毎回「空気圧をチェック」と書き込んだり、さほど苦労しなくても空気の入れ忘れを防げます。ついでにエンジンオイルを交換したり、ウィンドウウォッシャー液を交換したりと、空気圧の点検だけでなく定期的なメンテナンスに繋げるのも良いでしょう。

タイヤ空気圧

Tire pressure

窒素の充填

タイヤに充填する空気、と聞くと窒素の充填を思い出す人もいらっしゃるかもしれません。一般的な空気の成分は窒素が78%、酸素が21%、その他のガスが1%です。窒素分子は酸素分子に比べてゴムの分子を通りにくいため、窒素のみをタイヤに充填できればそれだけタイヤの空気圧が自然に低下する割合を減らすことができます。あるタイヤメーカーによれば、窒素のみを充填したタイヤの空気圧減少量は、一般的な空気を充填したタイヤの半分程度だそうです。

窒素の充填によるメリットは、空気圧が自然に減少する量を抑えることだけではありません。タイヤ内部の酸素が無くなるため、ホイールが錆びにくくなります。また、万が一タイヤがバーストしてしまったり、事故に巻き込まれたりした時にも、タイヤ内から噴き出す窒素は不活性ガス(燃えにくいガス)であるため、安全性が高いといえます。実際、航空機のタイヤは安全性向上のため、一般的に窒素が充填されています。

窒素の充填に必要な費用は現在のところ、タイヤ1本あたり500円、4本で2000円程度のようです。ガソリンスタンドやカー用品店によっては、一度窒素を充填したらタイヤを履き替えるまでは補充が無料となるサービスも行っているようです。近所のガソリンスタンドやカー用品店に相談してみてはいかがでしょうか。

タイヤから抜けにくい窒素を充填した場合、点検の頻度はどうなるのか、という点も気になることでしょう。窒素はタイヤから抜けにくいことを考慮しても、点検の頻度は最低でも3ヶ月に1回程度は行うべきとされているようです。通常の空気圧チェックは月に一度の点検でしたが、窒素の圧力チェックは季節の変わり目に点検する、と考えて良さそうです。

タイヤ空気圧

Tire pressure

まとめ

今回はタイヤの空気圧について解説しました。タイヤの空気圧にはメーカーが指定する空気圧の基準値が存在し、運転席のドア周りやガソリンタンクの給油口などにラベルが貼られています。

タイヤの空気圧はタイヤの寿命や運転性能に大きく関わっています。月に一度はチェックを行うよう心掛け、常に指定空気圧~指定空気圧+10%程度になるように調整しましょう。また、空気の代わりに窒素をタイヤへ充填することもあります。窒素の充填には様々なメリットがありますが、メリットを過信しすぎず、点検は定期的に行うようにしましょう。

まずはご自分の車の指定空気圧を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

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