公開日:2018.02.09

タイヤの保管は適切に

タイヤを適切に保管にあたって気をつけるべきポイントとは。太陽光や雨水にさらされることでゴム劣化を速める要因となる場合が有ります。履き替える人が増えてきた今、オフシーズンに有効なサービスや事前準備についてご紹介します。

夏季はサマータイヤ、冬季はスタッドレスタイヤと、シーズンによってタイヤを使い分けることが一般的になってきました。冬季は特に、気温が7℃を下回る頃からサマータイヤが十分な性能を発揮できなくなるため、雪が降らない地域でもスタッドレスタイヤを装着する人が増えています。
オフシーズンのタイヤはどこかに保管することになります。タイヤを保管する際、ただ外して放置するだけでは寿命が大幅に短くなってしまいます。逆に、いくつかのポイントを押さえて保管するだけで、タイヤの寿命を大幅に伸ばすことができます。今回はタイヤの保管にあたって気を付けるべきポイントを解説します。

タイヤ保管

Tire storage

タイヤを保管する前に

整備された道路のみを走っていても、タイヤには様々な汚れが付着します。加えて、雪道を走ったタイヤには融雪剤の塩化カルシウムが付着しています。塩化カルシウムは水に溶けることで塩化物イオンとなり、タイヤやホイールを傷めてしまいます。アウトドア趣味をお持ちの方は、夏のレジャーでタイヤの溝に土がこびりついていることでしょう。土は吸湿性が高く、土中の鉱物が水分に溶けだすことでゴムが劣化する原因となります。

タイヤやホイールを保管する前に様々な汚れを洗い落としておくことで、汚れに由来する劣化を防ぐことができます。タイヤをホイールごと自動車から外し、水とブラシで丁寧に洗い落としましょう。水分が残ったままになるとゴムが劣化するため、しっかり乾燥させる必要があります。

なお、タイヤを洗う際に洗剤は必要ありません。タイヤには元々、ゴムを保護するための成分が配合されています。むやみに洗剤を使うとゴムを保護する成分が流出してしまうため、基本的には水洗いで十分です。ひどい汚れがある場合に限り、薄めた中性洗剤を使い、洗浄後は乾いた布で拭き取りましょう。

タイヤ保管

Tire storage

タイヤの劣化を速める様々な要因

太陽光に含まれる紫外線はゴムを劣化させます。直射日光を浴びて高温となることでもゴムの劣化が進行します。タイヤを保管する際、直射日光は絶対に避ける必要のある天敵と言えるでしょう。

風雨もゴムの劣化を速めます。ゴムが水分に触れると、加水分解によって変質します。また、雨水には空気中の微量な化学物質が溶け込んでいるため、使っていないタイヤを裸のまま屋外に保管すると急速に劣化が進んでしまいます。

あまり知られていませんが、酸素の組成が変化することで生じるオゾンもゴムを傷める原因となります。オゾンが発生する主な原因は太陽光に含まれる紫外線と、高電圧の放電です。オゾンは太陽光の影響により空気中にごく微量存在しますが、電気機器の近くではオゾン濃度が高くなることがあります。例えばエアコンの室外機ではモーター内部で小さな放電が発生しているため、室外機周辺はオゾン濃度が高くなります。また、夏場には室外機周辺は高温となります。室外機の近くでタイヤを保管することは避けましょう。

高温多湿でなく、雨風を防ぐことができ、オゾン濃度が低い、という条件を満たせる保管場所は限られてきます。外壁付きの車庫をお持ちの方は車庫の奥にタイヤの保管場所を設けると良いでしょう。車庫をお持ちでない方は、タイヤ用の保管庫や屋外用の多目的収納ボックスを利用した方が良いでしょう。保管庫や収納ボックス自体が高温とならないよう、常に日陰となる場所へ置くようにしましょう。すだれなどを立てかけ、直射日光が当たらないようにするだけでも保管庫や収納ボックスの温度は低くなります。保管庫や収納ボックスにはタイヤと一緒に除湿剤を入れておくと万全です。

タイヤ保管

Tire storage

置き方を工夫する

まず、どこに保管する場合でも、必ず厚手の段ボールや板などを敷いてください。ベランダなど、どうしても水気が多くなる場所であれば、100円ショップなどで売られているすのこがおすすめです。何かしら敷いておかないと、ゴムと接している部分に薬品が染み出し、ゴムの色が移ってしまいます。ゴムの色は部材に浸透して移るため、基本的に除去できません。賃貸住宅の場合は特に気を付けましょう。後述するタイヤカバーを使えば色移りを防げますが、保管場所の床に接している部分には水分が溜まりやすくなります。タイヤカバーを使う場合も、何かしら敷いておくべきでしょう。

置き方にもコツがあります。タイヤ単体で保管する場合、タイヤのサイド部分に負荷がかからないよう、縦に置きましょう。ホイール付きで保管する場合はホイールの重量による影響を防ぐため、ホイール同士が接するように横へ積み上げましょう。ホイール付きのまま保管する際は、タイヤの空気圧をメーカーが指定する空気圧の半分程度まで下げておくことも忘れずに。空気圧が高い状態は、タイヤに常に負荷をかけていることになります。市販のタイヤラックを利用するのも良いでしょう。安定して保管でき、またスペースを節約できます。

マンション住まいの方はベランダへタイヤを置くことになるでしょう。ベランダで直射日光や風雨を防ぐことは困難ですから、遮光性・防水性のタイヤカバーを使いましょう。普通のビニール袋では紫外線をカットできません。また、防水性も不十分です。タイヤカバーを用いることで、埃がタイヤに付着することも防げます。タイヤカバーには様々なタイプがありますが、家庭用の掃除機を利用して真空パックにできるタイプが特におすすめです。

タイヤ保管

Tire storage

タイヤ保管サービスを利用する

以上のように、タイヤをただ保管するだけでもいろいろと気を使う必要があります。あれこれ考えるのが面倒くさい、あるいは保管場所を作ることができない、という方はタイヤ保管サービスの利用を検討してはいかがでしょうか。

タイヤ保管サービスはカーディーラーやタイヤ専門店、カー用品店、ガソリンスタンドなどが提供しています。保管手数料は店舗や地域によって大きく異なります。また、保管手数料の他に、タイヤを脱着するための工賃が発生する場合もあります。近所のサービス店に問い合わせ、自分に最も適したサービスを利用しましょう。

タイヤ保管サービスを利用するメリットは、個人の自宅より良い環境で保管してもらえる、ということです。サマータイヤは6年程度、スタッドレスタイヤは3年程度が寿命と言われていますが、保管状況によっては大幅に寿命が短くなります。高価なタイヤを購入したのであれば、少額の維持コストを支払った方が結果として安くつく場合もあるでしょう。

タイヤ保管サービスを利用するもう一つのメリットとして、盗難防止策となる、という点が挙げられます。季節の変わり目には、タイヤが盗まれたという話題をしばしば耳にします。東北や北海道の地方自治体に至ってはWEBサイト等で注意を促すほどです。タイヤ保管サービスでは店舗が責任を持って預かり品を管理するため、盗難のリスクが低くなります。

タイヤ保管

Tire storage

まとめ

タイヤを保管する際は「タイヤは食品である」と考えると分かりやすいでしょう。清潔を保ち、湿気が少ない冷暗所に保管する、という手順は食品を保管する手順に似ています。ホイールを付けたまま保管する場合は、空気圧を半分程度まで下げておくことも忘れないようにしましょう。

保管に手間暇をかけたくない方や、保管するスペースが無いという方は、タイヤ保管サービスの利用を検討しましょう。自宅で保管するより適切な環境で保管してもらえますし、盗難防止にもなります。

元々、タイヤは消耗品です。経年劣化はタイヤの宿命ともいえます。ですが、適切にケアすることでタイヤの寿命を大幅に伸ばすことができます。シーズンごとにタイヤを履き替えることが一般的になった現在、保管方法にも気を付けたいものですね。

 前の記事へ 次の記事へ 

タイヤ・ホイール 新着記事

タイヤ・ホイール 記事一覧に戻る
timy(タイミー)
タイヤフッド タイヤ購入と交換予約がネット完結
選べる全国4,800店舗 オンラインストアへ
タイヤフッド タイヤ購入と交換予約がネット完結
選べる全国4,800店舗 オンラインストアへ