公開日:2018.05.29 更新日: 2018.05.30

新品タイヤの注目ポイント

新品タイヤを手にいれる際に覚えておきたい項目とは。購入のポイントから慣らし走行の行い方、パンクやバーストといった不慮の事態を防ぐためのチェック方法まで細かくお届けいたします。

タイヤは消耗品です。順調に摩耗して交換時期が訪れるときもあれば、パンクやバーストといった不慮の事態によって交換を余儀なくされることもあるでしょう。いずれにせよ、車に乗っていればいつかはタイヤを買い換える機会が訪れます。
今回は新品のタイヤを購入する時に覚えておきたいポイントについて解説します。

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タイヤを購入した直後は慣らし走行を

購入したばかりの新品タイヤは十分な性能を発揮できません。したがって、タイヤメーカー各社は新品のタイヤを購入した際は「慣らし走行」を実施するよう推奨しています。慣らし走行とは、急加速や急ブレーキ、急ハンドルといった操作を避け、比較的遅い速度で一定距離を走行することです。

サマータイヤの場合、時速80km以下で100km以上走行します。スタッドレスタイヤの場合、時速60km以下で200km以上走行します。

なぜ新品のタイヤは十分な性能を発揮できないのか、という点についてもう少しご説明します。店頭に並んでいる新品のタイヤを観察してみましょう。

路面に接するゴム(トレッド面)は綺麗でツルツルしています。このような状態では舗装された路面との接地面積が小さくなるため、購入したての新品タイヤは十分なグリップ性能を発揮できない状態となっています。

また、タイヤは使用に伴って徐々に変形します。新品のタイヤは装着時に初めて空気圧を加えられて変形するため、構造が馴染むまでにやや時間がかかります(寸度成長と言います)。ここで注意したいことが、タイヤが変形する際に加わった力の一部は熱に変わるということです。

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新品のタイヤは通常の変形に加えて、構造が馴染むための変形が起こっており、発熱しやすい状態となっています。高速走行時にはタイヤに強い力が加わるため、タイヤはさらに大きく変形します。

したがって、新品のタイヤで高速走行を行ってしまうと、タイヤが異常な発熱を起こしやすくなります。タイヤが過度に発熱すると、せっかく新品に交換したタイヤの寿命が縮まるだけでなく、バーストなどの重大なトラブルに繋がることもあります。

さらに、新品タイヤのトレッド面は部位によってグリップ力にばらつきがあります。本来は慣らし走行を行うことでタイヤの余分な部位が削れ、均一なグリップ力が得られるようになるのですが、トレッド面が均一に削れる前に急加速や急ブレーキを行ってしまうと、タイヤの一部だけが極端にすり減る偏摩耗の原因になってしまいます。

上述のような事態を防ぐため、慣らし走行が推奨されています。

また、慣らし走行にはドライバーがタイヤ交換直後の運転感覚に慣れる、という効果もあります。新品のタイヤと、古いタイヤとではグリップ性能や転がり抵抗性能が異なるため、運転の感覚が異なってきます。安全運転を継続するためにも、ぜひ慣らし走行を意識して実施してみてください。

新品タイヤの不思議

新品のタイヤを観察してみると意外な発見があります。例えば、国産の新品タイヤを見てみると、側面に黄色や赤色で丸くマーキングがなされています。見た目があまり良くないのでうっとうしい、と感じられる方もいらっしゃるでしょう。黄色のペイントは「軽点」と呼ばれており、そのタイヤの中で最も軽くなっている部分を示しています。

赤いペイントは「ユニフォミティ」と呼ばれており、タイヤの外径が最も大きくなっている部分を示しています。タイヤは真円を目指して製造されていますが、完璧な真円を実現することは難しいため、重量と形状について印を付けているというわけです。

上述の軽点マークおよびユニフォミテマークは、タイヤをホイールへ組み付ける際の目安として使われています。ご自身でタイヤを組み付けるドライバーは、ホイールのうち最も重くなっていると考えられるエアバルブと軽点マークを合わせるように調整する方が多いようです。

より厳密にバランスを取るためには「バランサー」と呼ばれる専用の機械を使う必要があります。タイヤ交換を請け負っている店舗にはたいていバランサーが設置されていますので、よほど自信のある方でない限り、専門家に依頼した方が良いでしょう。

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なお、海外メーカー製のタイヤではこれらのマークを使用していないものもあります。製造時の精度が高いため、バランスを取るためのマークは必要ない、という考えがあるようです。

さて、他に新品タイヤの外見的な特徴として挙げられるものとして「ヒゲ」があります。このヒゲはスピューと呼ばれます。スピューはタイヤの原料となるゴムを型に流しこむ際、空気を逃がすために設けられた穴の名残です。製造工程においてどうしても発生してしまうものであり、出荷時にはタイヤの性能に影響が無い長さにまでカットされています。

見た目があまり良くないのでカットしたい、という方がいらっしゃるかもしれません。ですが、無理に切り取ってしまうとタイヤに傷が付き、そこから裂け目が広がる可能性があります。スピューは慣らし走行を行っている間に自然とちぎれて消えるため、無理にカットする必要はないでしょう。

その新品タイヤ、保証(補償)は付いていますか?

新品のタイヤを購入する際は、保証(あるいは補償)が付いているかどうかも確認した方が良いでしょう。保証の期間や内容は店舗によって異なります。タイヤ1本から最低限の無料保証が付いている店舗もあれば、4本まとめて購入した際に有料で保証に加入できる店舗もあります。

保証期間も半年間から2年間程までと様々です。新品のタイヤを購入する際はタイヤ単体の値段だけでなく、保証内容が充実しているか、保証金額がどの程度か、という点も判断基準に含めると良いでしょう。

消耗品に保証は必要ない、と考える方もいらっしゃるかもしれません。ですが、カーフロンティア社の調査によれば、タイヤを交換した後、50%以上の人が3年以内にパンクを経験しています。パンクの原因は「釘などの異物を踏んでしまったため」が78%と、予期せぬ事故が大半を占めています。

高価な消耗品であり、また車を支える重要なパーツであるにもかかわらず、意外にも多いタイヤのトラブル。せっかく新品のタイヤを購入するのですから、保証期間や保証内容を確認し、必要だと感じたら追加オプションで保証を手厚くすることも検討するなど、安心できる買い物にしたいものですね。

まとめ

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今回は新品のタイヤを購入する時に覚えておきたいポイントについてご紹介しました。新品のタイヤを購入した直後はタイヤに負荷がかかる操作を避け、慣らし走行を行うことで本来の性能が発揮できるようにしましょう。

また、交換のタイミングにも要注意です。梅雨時になってからタイヤの残溝が足りないことに気付いても、新品のタイヤはすぐに万全の性能は発揮できません。普段からタイヤの残溝をチェックし、余裕を持って交換しましょう。

新品のタイヤを購入する際には保証が充実しているか否かも判断基準として持っておくと良いでしょう。左側に寄せて走る癖があるドライバーは道路脇に散在する異物を踏みやすく、それだけパンクになる可能性が高いと言えます。

また、普段から走行する環境も考慮した方が良いでしょう。アウトドアが趣味の方は砂利道などの荒れた地面を走る機会が多くなります。舗装されていない路面では異物の尖った部分が上を向きやすく、タイヤが異物を踏んだ際に穴が空きやすくなってしまいます。

いたずらによるパンクにも対応していることが多いため、治安があまり良くない地域に在住していらっしゃる方は、いたずらに備えた保険と考えることもできるでしょう。

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