公開日:2019.06.26 更新日: 2022.01.20

スタッドレスタイヤの寿命を解説!地域ごとに交換時期はどう変化する?寿命を見分けるポイントはココ!

スタッドレスタイヤの寿命はケースバイケース

スタッドレスタイヤは冬の時期にしか使わないため、劣化に気づきにくいのではないでしょうか。

使用年数や走行距離で寿命が規定されていれば判断しやすいのに、と感じている方もいるかも知れません。

実はスタッドレスタイヤの寿命は、車の使用環境などによってケースバイケースなのです。

明確な基準はない

スタッドレスタイヤの寿命は、使用年数や走行距離などといった明確な基準がありません

ですから、安全走行には適さない状態のスタッドレスタイヤを使い続けてしまい、スリップを起こして初めて寿命に気づくというケースもあります。

誰にでも分かりやすい年数や距離で寿命が規定されていれば、こうした事態は避けられると考える方もいるでしょう。

しかし、規定することが安全走行の妨げになる可能性もあるのです。

タイヤはゴム製品

スタッドレスタイヤの寿命は運転頻度や走行環境、夏の間の保管方法や保管場所の違いなど様々な要因に左右されます。

タイヤはゴム製品ですので使用するほど摩耗するため、走行距離は一つの指標にはなるでしょう。

しかし高速道路の走行がメインの場合と一般道メインの場合ではタイヤにかかる負荷が異なるため、走行距離だけで判断することはできません。

また、屋根のない駐車スペースで数年間保管していたスタッドレスタイヤを使用する場合、走行距離が短くても風雨にさらされてタイヤが劣化している可能性があります。

こちらも走行距離だけでタイヤの寿命が判断できないケースです。

スタッドレスタイヤの寿命の目安

明確な基準が設けられていないスタッドレスタイヤの寿命。

安全走行のためには頻繁に摩耗度合いをチェックするのがベストですが、新品のスタッドレスタイヤは極端に劣化する可能性は低いですし、摩耗が進まないとチェックも怠りがちになります。

こんなとき、スタッドレスタイヤが寿命を迎えるおおよその使用年数や走行距離が分かっていると、効率よく摩耗チェックが行えるのではないでしょうか。

一般的なスタッドレスタイヤの平均的な寿命年数や走行距離の目安を知っておきましょう。

安心して使用できる年数は3〜4年

毎年冬になると必ずスタッドレスタイヤに履き替えている場合、安心して走行できる年数は3〜4年とされています。

この年数は使用開始から起算するのではなく、製造されてから経過した年数です。

製造年数の確認方法

タイヤの製造年数はタイヤのサイドウォールに記載されています。

アルファベットの後に続く四桁の数字を探してみてください。下二桁の数字が製造年の下二桁です。

2019年製造であれば「19」と記載されます。また上二桁は製造週を表していますので、何月に製造されたのかが分かります。「10」であれば3月頃ですね。

タイヤに刻印された製造年数から3年経過する頃にはスタッドレスタイヤの劣化チェックを行うことをおすすめします。

走行距離の目安は10,000km〜15,000km

走行距離が長くなるほどタイヤは摩耗し、寿命が短くなっていきます。

目安としては走行距離10,000km〜15,000kmとされています。この距離に近づいたらタイヤの状態を確認しましょう。

スタッドレスタイヤの寿命に地域差はある?

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路面の走行に特化したタイヤです。

そのため降雪が多い地域では早めに装着して長く使用しますし、温暖な地域では一度も雪を踏まないまま夏タイヤに交換することもあります。

冬の気候に地域差があるのは、南北に長い日本ならではです。では、地域によってスタッドレスタイヤの寿命にも差があるのでしょうか。

タイヤは使えば使うほど摩耗する

降雪が多い北海道では、10月頃から徐々にスタッドレスに履き替えますが、都心はどうでしょうか。

雪が降りそうな気温になった頃やあまり雪が降らない地域に雪の便りが届いたタイミング、あるいは雪の予報が出てから慌てて履き替える方もいるでしょう。

スタッドレスタイヤに限らず、タイヤは使えば使うほど寿命が短くなっていきます。

そのため、早くからスタッドレスタイヤを使用している降雪地域ではタイヤの摩耗が進みやすいといえるでしょう。

しかし、降雪路面以上にスタッドレスタイヤの寿命を縮める要因があります。

スタッドレスタイヤの寿命を大きく縮める要因とは

スタッドレスタイヤは雪道や凍結路面を安全走行しているだけで酷く摩耗することはありません。

スタッドレスタイヤの寿命を大きく縮める要因は、乾燥路面の走行です。

タイヤのゴムは寒さで硬くなる性質があるため、スタッドレスタイヤのゴムは夏タイヤよりも柔らかくできています

雪や氷の上でも柔らかさを保ち、路面に密着してスリップを防ぐのです。

また、路面との間に溶け出す僅かな水の膜を吸い上げるために、タイヤ表面には深い溝がいくつも設けられています。

このスタッドレスタイヤで乾燥路面を走行したらどうなるでしょうか。

柔らかいゴムは当然摩耗しやすいですし、溝に吸い上げる水分がないまま路面の摩擦を受ければ、トレッドパターンの角はどんどん削り取られてしまいます。

これらのことから、スタッドレスタイヤで乾燥路面を走行するとタイヤの寿命が短くなることが分かります。

履き替える時期や走行路面によって寿命が左右される

北海道と同じく秋頃にスタッドレスタイヤに履き替えて都心で高速走行を繰り返した場合、乾燥路面での摩擦と高速走行によるタイヤへの負荷が大きくなるため摩耗は進行します。

また、夏タイヤに履き替えないまま雪の季節を迎えた場合、夏の熱せられた路面で更に摩耗が進み、寿命が縮む上にスタッドレスの性能が低下してしまう恐れもあります。

スタッドレスタイヤの寿命を決める要因は地域差ではなく、スタッドレスタイヤに適していない環境での走行頻度だといえるでしょう。

寿命を見分けるポイント

スタッドレスタイヤの寿命の目安となる年数や走行距離は、あくまでも「目安」です。

使用環境によって摩耗や劣化のスピードが異なりますので、例え使用年数が2年でもタイヤが寿命を迎えることは十分あり得ます。

では、タイヤの寿命はどのようなポイントで判断すれば良いのでしょうか。

次に挙げる4項目のどれか一つでも当てはまれば、タイヤ交換をおすすめします。

プラットフォーム

スタッドレスタイヤの性能を発揮するために重要なのが、接地面の溝の深さです。

これが十分でなければ路面の水膜を吸い上げることができず、スリップしてしまいます。

ですからタイヤが磨り減って溝が浅くなれば、スタッドレスタイヤとしての寿命だといえます。

新品のスタッドレスタイヤの溝の深さはおよそ10mmほど。これが50%摩耗したら寿命のサインです。

これを視覚化して摩耗を見逃さないようにするため、スタッドレスタイヤには「プラットホーム」が設けられています。

タイヤのサイドウォールに刻印されている小さな矢印が示す先を辿っていくと、タイヤの溝の中に盛り上がった部分が確認できます。これがプラットホームです。

新品タイヤの溝の50%の高さで作られており、タイヤが摩耗していくとプラットホームが見えてきます。これが完全に露出してしまう前にタイヤ交換を行いましょう。

スリップサイン

スタッドレスタイヤは溝の深さが半分になったら寿命とみなしますが、あくまでこれはスタッドレス性能の寿命です。

つまり夏タイヤとして乾燥路面を走ることはできます。

夏タイヤとして走行可能な溝の深さは1.6mm以上であり、これを下回ると車検を通過できないだけでなく道路運送車両法違反(整備不良)で罰金・減点の対象となります。

これを見逃さないようにするため、スタッドレスタイヤにも夏タイヤにも「スリップサイン」が設けられています。

タイヤのショルダー部分に刻印されている小さな三角が示す先を辿っていくと、プラットホームに似た盛り上がりが確認できます。これがスリップサインです。

高さは約1.6mm、タイヤが摩耗してスリップサインが見えてきたらタイヤ交換の準備をしましょう。

タイヤの硬度

スタッドレスタイヤの性能を維持する上で、タイヤのゴムの柔らかさはとても重要です。

路面に密着する柔軟性が保たれなければスリップしやすくなってしまいます。

一方でゴムの経年劣化は避けられないため、使用年数が長くなるほど硬化していきます。

しかしタイヤの硬化は目で見て分かるものではありませんし、触っても判断できません。

経年劣化が気になり始めたら、硬度計を使って硬度を確認しましょう。

硬度計は、タイヤ以外にも使用できる汎用タイプから専用のものまで様々な種類が市販されていますが、常備しておくのであればタイヤ専用の硬度計をおすすめします。

タイヤが硬くなると硬度計の数値が大きくなります。新品のスタッドレスタイヤは硬度40程度です。

60を超えたらスタッドレスとしての性能は低下していますので寿命とみなしてタイヤを交換しましょう。

タイヤショップで硬度を計ってもらうことも可能です。その際は硬度計を借りて自分でも測定してみることをおすすめします。

硬度計は測定針の押し付け方によって数値が変動しますし、測定部位によっても差がありますので、複数の測定者の手で様々な部位を測定することで正確な現状が把握できます。

タイヤのブロックの端はもともと硬度が高いため、複数のブロックの中央を測定するようにしましょう。

ひび割れ

外観で判断できるタイヤの寿命が「ひび割れ」です。

例え溝がしっかり残っていたとしても、ゴムがひび割れていたら安全な運転に支障が出る上にバーストの危険性もあります。

ひび割れは、保管している間にも起こる可能性がありますので、スタッドレスタイヤに履き替える際はひび割れがないか必ず確認しましょう。

使用頻度が低いタイヤや保管中のタイヤにも注意

スリップの危険性が増す冬の時期のみ使用するスタッドレスタイヤは、地域によっては保管している期間の方が長いケースもあります。

使用しなければタイヤは劣化しないのでしょうか。

実は保管中にもタイヤは劣化し、寿命が短くなっていきます。

ではタイヤを劣化させずにできるだけ長く使用するためにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。

水分や油分から守る

タイヤ内部に使われている金属製のコードは水分によって劣化します。

そのため、屋外でタイヤを保管しているケースでは雨水がかからないように注意しましょう。カバーをかけている場合でも地面から水分が侵入する場合があります。

またタイヤのゴムは油分を吸い上げる性質があり、これも劣化の原因となります。ガレージなどオイルを使用する場所での保管には十分ご注意ください。

空気は少なめに

ホイールごとタイヤを保管する場合、空気圧を高くしたままだとタイヤに負担がかかり、ひび割れの原因になりますので、通常の半分ぐらいに下げておきます。

紫外線に当たらない工夫を

タイヤには紫外線が大敵です。ゴムが劣化したり変色を起こしたりしますので、UVカバーを掛けたり日が当たらない場所で保管するなど対策が必要です。

熱源のそばに置かない

タイヤは熱に弱いため、熱を持つモーターやバッテリーの近くには保管しないようにしましょう。

スタッドレスタイヤの寿命を見逃さない!

スタッドレスタイヤの寿命は使用環境や保管環境によって異なるため、寿命を過ぎたタイヤを使用し続けて事故を起こさないためには、劣化の程度をこまめに確認することが大切です。

タイヤのひび割れやプラットホームの目視確認をするのと同時に、カーメンテナンスに行った際には必ずタイヤの硬度を確認してもらうなど、タイヤの状態を把握するように心がけましょう。

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