目次
現在のタイヤ事情
日本には世界的に著名なタイヤメーカーが数多くあり、タイヤ先進国ともいわれる存在です。
日本を代表するタイヤメーカーのブリヂストンは現在タイヤの世界シェアトップを誇ります。
ブリヂストンの他にもダンロップやトーヨータイヤ、横浜ゴムなど世界中に名が知られているメーカーは少なくありません。
海外メーカーではグッドイヤーやミシュラン、コンチネンタル、ピレリなどがよく知られていますね。
そういったメーカーが長年タイヤ界には君臨してきたわけですが、近年はこのタイヤ事情が少しずつ変わりつつあります。
インターネットの普及
タイヤに限ったことではありませんが2000年頃からインターネットが一般家庭にも普及し始め、さらに2008年のiPhoneの発売によってスマートフォンが一般化。
インターネットが多くの人にとって身近なものになると同時に生活に欠かせないものになりました。
それとともにインターネットショッピングも急速に浸透していきます。
平成27年度の総務省による発表では、インターネットショッピングの個人利用率は7割を超えているという結果からも、どれだけインターネットショッピングが多くの人に利用されているのかがよくわかるのではないでしょうか。
インターネットの普及によって人々のショッピングのスタイルは変わりました。
インターネットであれば世界中から好みの品を自宅にいるままで購入することができます。
従来のように店舗に出向き、実際に商品を確認して購入する手間や時間が必要ありません。
さらにインターネットであれば複数の商品を簡単に比較したり、さまざまなショップから商品を選べるというメリットもあります。
そういった流れはタイヤにとっても例外ではなく、今ではタイヤもインターネットショッピングが一般的になりつつあるのです。
アジアンタイヤの登場
インターネットでは実店舗を持たずに物の販売が可能です。
そのため人件費や店舗維持費などのコストが大幅に抑えられるため、価格を抑えてタイヤを販売できます。
またインターネットによって世界中のタイヤが販売されるようになり、それまではあまり日本に入ってきていなかった東南アジアや中国などのアジアンタイヤと呼ばれる激安タイヤが登場しました。
新ジャンルともいえるアジアンタイヤですが、東南アジアなどは人件費が安いこと、またタイヤの原料であるゴムは主にインドネシアで生産されているため原材料の物流コストが抑えられること、またブリヂストンやミシュランなどのように多額の開発費がかかっていないことから一般的なタイヤよりもお手軽な価格になる傾向があります。
中古品や型落ちタイヤもインターネットで激安販売
またインターネット上では型落ちや年落ち品、B級品や中古品などが激安タイヤとして販売されていることも。
インターネットの普及により車のタイヤ事情も大きく変化しつつある、というのが現状といえるでしょう。
タイヤの選び方
タイヤ交換をする際には、タイヤサイズが合うものを購入するのは大前提ですが、そのほかにどんな機能をタイヤに求めるのかをはっきりさせていきましょう。
目的に合わせたタイヤを選ぶ
燃費削減が目的であればエコタイヤ、走りにこだわりたいのであればグリップ性能の高いタイプ、静かで快適な乗り心地を追求するのであればコンフォートタイヤ。
長持ちさせたいのであれば摩耗しにくいもの。
またパンクしても一定の距離を走り続けることが可能なランフラットタイヤなど、タイヤにもさまざまな特徴を持つものがあります。
自分はタイヤにどのような性能を求めているのかをはっきりとさせたうえでタイヤを選ぶようにするといいでしょう。
国内おすすめタイヤメーカー
ではここからおすすめのタイヤメーカーを見ていきましょう。まずは国産メーカーをご紹介します。
ブリヂストン
世界最大のシェアを誇る日本を代表するタイヤメーカー、それがブリヂストンです。
乗用車はもちろん、かつてはF1にも参戦して世界チャンピオンを獲得したこともあり、モータースポーツの分野でもその存在感を発揮してきました。
高い技術力に定評があり多数の特許を保持しているのが特徴です。
日本車のみならず海外の高級車にも標準タイヤとして採用されるなど、高い品質が世界中の自動車メーカーに評価されています。
高い静粛性やワンランク上の乗り心地を提供する上級車向けのプレミアムブランド「REGUNO」、フェラーリやポルシェに標準装備されている「POTENZA」、車種別に設定のある低燃費タイヤの「ECOPIA」、ドライバーの疲労軽減をコンセプトに開発されたユニークな「Playz」をはじめとしてさまざまなタイヤがそろいます。
昨今のSUVブームに対応するべくSUV用のプレミアムタイヤ「ALENZA」や本格オフロードなど用途に合わせた「DUELEER」などもラインナップ。
スタッドレスタイヤの「BLIZZAK」シリーズは日本国内において非常に装着率が高く、スタッドレスといえばブリヂストン、といったイメージさえあるほどです。
ダンロップ
1889年創業と非常に長い歴史を誇るダンロップ。空気入りのタイヤを発明したメーカーでもあります。
また世界で初めてハイドロプレーニング現象の原理を解明したり、ランフラットタイヤを実用化するなど独特の着眼点やアイデアを持ち、またそれを実現する技術力を兼ね備えたメーカーといえるでしょう。
独自のサイレンステクノロジー「サイレントコア(特殊吸音スポンジ)」を採用したプレミアムタイヤ「VEURO」は優れた操縦安定性と極上の乗り心地を実現。
その他に快適な乗り心地と静粛性、さらに低燃費性能や耐摩耗性能もプラスしたオールマイティさが魅力のコンフォートタイヤ「LE MANS」やエコタイヤの「ENASAVE」、輸入車向けの「GRANDTREK」などがあります。
トーヨータイヤ
「専用タイヤ発想」をコンセプトにタイヤ開発を行い、車種ごとに最適なタイヤを製造することで評価を得ているメーカーです。
海外で特に評価されていること、他の国産メーカーと比較して低価格傾向にあることが特徴といえるでしょう。
近年では長年タッグを組んでいるラリードライバー、ケン・ブロックによる大人気動画シリーズ「Gymkahana」が車好き以外の間でも話題になったため、日本国内でも幅広い層にその名が知られることになりました。
北米において高い支持を受けているオフロードタイヤ「OPEN COUNTRY」、高速安定性に優れたプレミアムブランドの「PROXES」、車高が高い車に向けて開発された「TRANPATH」、新技術を搭載した「NANOENERGY」などがあります。
ヨコハマタイヤ
創業100年を超す歴史あるヨコハマタイヤは数ある日本のタイヤメーカーの中でもいち早く低燃費タイヤの開発を手掛けたことで知られています。
主力となるのはやはり低燃費タイヤの「BiuEarth」でしょう。
その他にサーキットなどでも使用される「ADVAN」、SUV向けの「GEOLANDAR」やスタッドレスタイヤの「iceGUARD」などのシリーズを展開しています。
海外おすすめタイヤメーカー
ではここからは、海外のおすすめタイヤメーカーをご紹介します。ここではアジアンタイヤ以外の欧米のメーカーを見ていきましょう。
ミシュラン
ミシュランはフランスのタイヤメーカーで、2005年にブリヂストンに向かれるまでは長年世界最大のシェアを誇っていたブランド。
1948年に世界で初めてラジアルタイヤを開発したメーカーでもあります。
車にあまり詳しくない方にはレストランを星の数で評価する「ミシュランガイド」のイメージが強いかもしれませんね。
自動車のみならず航空機やスペースシャトルのタイヤなども製造している、高い開発力と技術力が自慢のメーカーです。
最高出力1,500psを誇る世界最速ともいわれるモンスターカー、ブガッティのシロンにミシュランのタイヤが装着されているのがその証拠ともいえるのではないでしょうか。
ミシュランの技術の粋を集めた高性能タイヤ「PILOT」、快適性を追求した「PRIMACY」、低燃費タイヤ「ENERGY」、クロスオーバーSUV向けに専用設計された「LATITUDE」などが主なラインナップです。
グッドイヤー
グッドイヤーはアメリカのタイヤメーカーで、ブリヂストン、ミシュランと並んで世界3大タイヤメーカーの内のひとつです。
長年F1に参戦し、タイヤメーカーとしては最多となる通算368勝を挙げているなど、モータースポーツの世界において大きな存在感を示してきました。
トヨタ車の純正タイヤとして採用されることが多く、信頼性の高さには定評があります。
走る楽しみを追求したスポーツタイヤ「EAGLE」や低燃費と優れた運動性能を両立させた「EfficientGrip」、年間を通して安定した走りを実現するオールシーズンタイヤ「VECTOR」などが主なシリーズです。
ピレリ
ミラノのタイヤメーカー、ピレリもまたF1においてその名を馳せたメーカーです。
ランボルギーニでは全車両にピレリのタイヤを採用していることもあり、スーパーカー=ピレリ、という図式が定着しているといっても過言ではないかもしれません。
優れたスポーツ性能はもちろん、他メーカーとは一線を画すエレガントなフォルムもピレリタイヤの魅力といえるでしょう。
ランボルギーニはもちろんメルセデスAMGやフェラーリ、マセラティなどの名だたる高級車メーカーが採用するフラッグシップの「P Zero」をはじめ、耐摩耗性を強化したエコタイヤの「CINTURATO」、SUVやクロスオーバー者のための「SCORPION」などがそろいます。
コンチネンタル
コンチネンタルはドイツのメーカー。世界シェアは第4位ですが、欧米におけるメーカー純正装着シェアは第1位と、特に欧州において評価の高いメーカーであるといえるでしょう。
創業は1871年と古くからあるメーカーですが、日本には2000年前半に登場しました。
質実剛健なドイツ気質のメーカーであり、その製品の質の高さと信頼性の高さがコンチネンタルの持ち味です。
優れた操縦安定性とグリップ性能を備えたスポーツタイヤの「ContiSportContact」低燃費と長寿命を両立させた「ExtremeContact 」などがあります。
番外編 アジアンタイヤおすすめメーカー
ここでは現在急成長しているアジアンメーカーをご紹介します。
ハンコック
アジアンタイヤは「安かろう、悪かろう」というイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、韓国メーカーのハンコックは国産車では日産や三菱、トヨタなど、海外ではフォードやGM、またフォルクスワーゲン・アウディのグループ内で幅広く採用されている実力派のメーカーです。
SUPER GTなどでも活躍しており、アジアの中ではトップレベルのタイヤといえるでしょう。先進技術を使用し走行性能を高めた「VENTUS」やエコタイヤの「enfren」などが国内で展開されています。
クムホ
中国のクムホもまた高い品質に定評のある、アジアンメーカーのトップクラスといえるメーカーです。
日本においてはオートバックスがクムホブランドの専売タイヤをプライベートブランドとして販売していることで知名度が一気に広がりました。
スポーツ対応の「ECSTA」、静粛性や快適性重視の「SOLUS」、環境を考慮した「ecoWING」などがあります。
ネクセン
ネクセンはハンコックと並んで韓国が世界に誇るタイヤメーカーです。
ポルシェやアウディ、ルノーなどにも採用され、かつてはミシュランなどと技術提携していたこともあるなど高い技術力と徹底した品質管理が評価を受けています。
コーポレートブランドであるNEXENと主に欧州向けのROADSTONEという2種類のブランドを展開。
日本では日本専用に開発された「N prize」やプレミアムタイヤの「N’FERA」、低燃費を追求した「N blue」などが展開されています。
ナンカン
台湾メーカーのナンカンはタイヤのドレスアップをする方にはよく知られているメーカーです。
台湾では最も実績のあるタイヤメーカーで、サイズ展開が豊富なことからインチアップの際に選択されることが多い傾向にあります。
コストパフォーマンスに優れた「AS」、スポーツタイヤの「NANKANG」などが人気です。
終わりに
インターネットの普及によりタイヤの性能の比較なども簡単にできるようになりました。
定番の国産メーカーから海外メーカー、注目株のアジアンタイヤまでさまざまな種類をよく比較検討して、あなたに最適のタイヤを見つけてください。