【タイヤ/保管袋】スタッドレスタイヤを長持ちさせる保管場所と保管方法とは?
タイヤの保管袋というのを皆さんもっていますか?季節の変わり目とともに交換をされる方は多いと思います。そんなときに来シーズンも使えるように、物置などにしまうのではなく、きちんと綺麗にしておくかおかないかで持ちが変わります。
ウィンターシーズンが終わってスタッドレスタイヤからサマータイヤに履き替えるとき、あるいはその逆のとき、皆さんは履き替えた後のタイヤをどのように保管していらっしゃいますか?
ガレージや広い庭をお持ちの方はそこへ置くことができますし、最近ではベランダなどの狭い空間にも効率的にタイヤを保管できる棚や、タイヤ用の保管袋も販売されています。
ですが、保管場所を確保してもまだ安心ではありません。タイヤは自然に劣化していくものですが、保管する前のお手入れや保管方法によって劣化の進行度合いが変わってきます。特に保管袋はタイヤを保管する際の必需品とも言えるでしょう。普通のビニール袋とタイヤ用の保管袋とでは、機能の面で様々な差があります。
今回はタイヤを劣化させずに長持ちさせる保管方法について詳しく解説していきます。タイヤは車を支え、駆動力や制動力を地面に伝える非常に重要なパーツです。保管袋など、適切な道具を利用し、丁寧にお手入れをしましょう。
目次
タイヤの保管場所
まずはタイヤの保管場所を決めましょう。タイヤの天敵は何と言っても太陽光に含まれる紫外線です。タイヤの保管袋には紫外線(UV)をカットしてくれる製品が多くありますが、完全に遮断できるわけではないため、直射日光が当たらない場所が良いでしょう。
高温多湿もタイヤの敵ですから、乾燥した冷暗所が望ましいでしょう。以上のことから、ガレージをお持ちの方はガレージの奥が最も適切な保管場所といえるでしょう。
北側に面した庭があるなら、そこもお勧めです。ただし、雨風からタイヤを守るため、後ほど解説する保管袋が必須になります。なお、電気のモーターなどから発生するオゾンはタイヤのゴムにダメージを与えます。エアコンの室外機など、大きなモーターを持つ電化製品からは遠ざけましょう。
日当たりの良い南向きの庭であっても、タイヤ用物置を使用すればタイヤを雨風から守ることができます。また、物置の隙間にはジャッキやレンチといった車用の小物を一緒に収納することができます。夏場は高温になりますから、すだれなどをかけて直射日光が物置に当たらないようにすると良いでしょう。
ガレージや庭がなく、ベランダくらいしか保管場所がない、という方でもご安心下さい。タイヤラックというタイヤ用の棚が販売されています。
ベランダに限らず、タイヤの保管にスペースをあまり取られたくないという方にはタイヤラックの設置をお勧めします。ベランダは日当たりの良い場所に設けられるものですから、紫外線(UV)をカットできる保管袋でタイヤを保護することが必要になります。
タイヤの保管方法
まず、保管中のタイヤの劣化を防ぐために空気圧を下げておきましょう。空気が入っているということは常に圧力がかかっているということですから、空気圧が必要でない時には空気を抜いた方が、負担がかからなくなります。
その後、ゴムが劣化する原因となる直射日光や紫外線、雨風を防止するため、タイヤ用の保管袋(タイヤカバー)で包むようにしましょう。ガレージに保管する場合であっても、梅雨時などは高温多湿になりますから、やはり保管袋で包んだ方がよいでしょう。
次に、保管方法によって、取るべき手順が異なってきます。大きく分けて、平積みにして置く方法と、タイヤラックなどを使ってタイヤを縦に立てかける方法の2つがあります。
平積みにする場合は、型崩れしないようにホイールを外さず、ホイール同士が接するように重ねましょう。ホイールを外してしまうと、一番下のタイヤが重さに耐えられずに変形してしまいます。また、タイヤと地面の間には必ずブルーシートなどを敷いてください。
これはタイヤのゴムに含まれる保護材が地面やコンクリートなどへ染み出てしまうのを防ぐためです。保管袋をかけているとはいえ、念を入れておくことに越したことはありません。
ラックに立てかけて保管する場合には、ホイールの重さによる変形を防ぐため、ホイールからタイヤを外しましょう。タイヤを履き替える際、ホイールはそのままにしておく、という方もこちらに該当します。
縦に保管する場合、長期間同じ状態で保管しておくとタイヤ自身の重みによってトレッドが変形してしまいます。たまにタイヤを回転させて、一部分だけに負荷がかかることを防ぎましょう。
ここまで、ご自宅で保管する方法について紹介してきました。ですが、どうしても保管しておく場所がないという方や、自宅での保管やお手入れが面倒だという方もいらっしゃることでしょう。
有料ではありますが、カー用品店などがタイヤ保管サービスを実施しています。タイヤ保管サービスなら、タイヤの取り外しから専門のスタッフが行い、適切な状態で保管してくれます。
なお、タイヤ保管サービスには「盗まれにくい」というメリットもあります。豪雪地帯では冬が近づくとスタッドレスタイヤの盗難が相次ぎます。多くの場合、庭先に積んでおいたスタッドレスタイヤが盗まれてしまうようです。
自治体が住民に注意を促すほどですから、セキュリティの観点からも、タイヤ保管サービスを利用することは検討に値するでしょう。
保管する前に!タイヤを綺麗にしましょう
保管場所と保管方法が決まったら保管袋に包んでおしまい、では不完全です。せっかく長持ちするように保管場所と保管方法を選んだのですから、タイヤがより長持ちするよう、タイヤを綺麗に洗いましょう。
タイヤを洗う際には、なるべく水だけを使い、毛先がナイロン製のブラシで表面を軽くこするようにして洗いましょう。また、タイヤの溝に小石や泥などの異物が挟まっている場合は、取り除きましょう。
異物をそのままにしておくと走行中にタイヤに深く食い込み、パンクやバーストの原因となってしまいます。ただし、既に釘などの尖った異物がタイヤに深く食い込んでいる場合はうかつに抜かず、カー用品店に持ち込みましょう。食い込んだ異物を抜いてしまうと、一気に空気が抜けてしまう可能性があります。
さて、タイヤを洗う際に注意したいこととして、艶出し剤や市販の保護剤、アルコールやベンジンなどは使わない、ということが挙げられます。タイヤのゴムから、製造段階から配合されている保護材を染み出させてしまいます。タイヤの表面は自然とひび割れていくものですが、保護材が失われるとひび割れが加速する原因になります。
どうしても落としたい汚れがあってやむなく洗剤を使う場合でも、うっすら泡立つ程度にまで薄めた中性洗剤を使い、洗浄後はよく洗い流しましょう。タイヤの保護材は主に油分に溶けています。中性洗剤、と聞くと化学反応を起こさないように思えますが、中性洗剤に含まれる界面活性剤はゴムに含まれる油分に結びつき、やはり保護材を染みださせてしまいます。
さて、タイヤを洗い終わった後はしっかり乾燥させましょう。油分ほどではありませんが、湿気・水気もまたタイヤの敵です。長く放置したゴム製品の表面がベトベトになっていた、という経験はありませんか?
あのベトベトは加水分解と呼ばれる働きによるものです。タイヤもゴム製品ですから、同様に長時間水に触れ続けると加水分解によって劣化が早まってしまいます。
まとめ
タイヤを保管する際のポイントを要約すると以下の通りになります。
1. 直射日光や雨風、汚れを防ぐために保管袋へ入れて冷暗所で保管する
2. タイヤの形状が変化しないように置き方に気を付ける
3. 保管前にしっかりと洗浄して乾かす
保管袋を買うお金がもったいないと思う方もいるかもしれませんが、普通のビニール袋ではタイヤを十分に保護することができません。また、安かろう悪かろうの保管袋では効果が期待できません。防湿性があり、紫外線(UV)をカットできる、信頼性の高い保管袋を購入しましょう。
安心安全な走行のためにも、タイヤの保管方法や前準備には十分注意したいですね。