公開日:2019.11.26

タイヤローテーションが必要な理由とは?やり方とポイント、費用を解説

車の消耗品の中でも高価なタイヤを長持ちさせるのに有効な「タイヤローテーション」とは?タイヤが摩耗すると交換が必要ですが、その減り方は前後輪で差があります。そこで一定のタイミングでタイヤの場所を入れ替え、溝の減り方を均等にする方法がタイヤローテーションです。タイヤローテションの目的とやり方、費用について解説します。

Adorable little girl helping her father to change a car wheel outdoors on beautiful summer day

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車の消耗品の中でも高価なタイヤを長持ちさせるのに有効な「タイヤローテーション」とは?タイヤが摩耗すると交換が必要ですが、その減り方は前後輪で差があります。そこで一定のタイミングでタイヤの場所を入れ替え、溝の減り方を均等にする方法がタイヤローテーションです。タイヤローテションの目的とやり方、費用について解説します。

タイヤローテーションとは?タイヤを長持ちさせる方法

タイヤローテーションとは、文字通りタイヤの位置を入れ替えてタイヤを長持ちさせる方法です。タイヤの溝が減って摩耗するとタイヤ交換が必要になりますが、タイヤローテーションによって摩耗具合を均等にすれば、タイヤを長持ちさせられます。

タイヤローテーションについては一般的に
・前輪と後輪の装着位置を交換
・5,000kmを目安に定期的にローテション
・FF車の前輪は摩耗しやすいのでFR車より早めに交換
・スペアがある場合はスペアも含めてローテーション
と言われています。

タイヤが摩耗する理由とどんな不具合がある?

消耗品であるタイヤは寿命の目安は3-5年程度ですが、溝が削れてグリップ力が失われる、濡れた路面でブレーキが効きづらくなるハイドロプレーニング現象などが起きて、前輪だけ早く交換しなければならないのがデメリットです。

前輪と後輪の摩耗具合の差が極端になれば、車の振動や走行時の騒音の原因にもなります。つまり寿命以外にもタイヤの性能や乗り心地にも影響してきます。

前輪と後輪でタイヤの摩耗箇所が異なる

前輪と後輪では一般的に摩耗箇所が異なります。前輪はタイヤの角であるショルダー部分、後輪のタイヤはセンター部分の摩耗が起こりやすい特徴があります。これを「ショルダー摩耗」「センター摩耗」と呼びます。

FF車の前輪は後輪の2-3倍摩耗しやすい

一般的なFF車の場合、エンジンはフロント部分にあり、前輪のタイヤで車体を引っ張っています。そのため、後輪にはエンジンの動力は直接的に伝わらず、前輪のタイヤにエンジンのエネルギーが集中することになります。

当然、タイヤに大きな負荷がかかるのは前輪なので、前輪のタイヤの方が削れやすいのです。この現象を「偏摩耗」と言います。

さらに運転者や助手席に人が乗ることで、荷重がかかる頻度もフロント部分が圧倒的に多いため、必然的にFF車の場合は前輪のタイヤが摩耗しやすい特徴があります。

FF車の場合、駆動輪でもあり操舵輪でもあるため前輪の摩耗が激しく、タイヤの寿命が後輪の1/2から1/3にもなると言われています。

では前輪のタイヤだけ交換すればよいかというと、後輪もゴムの劣化で5年も使えば交換しなければならないため、トータルで考えれば4輪を平均的に使っていくのが経済的とされています。

最近は後輪のタイヤでも「偏摩耗」が増加中!

ホイールの整列具合を「アライメント」と呼び、車体に対してホイールの位置や角度、方向がどのように取り付けられているかを指します。

最近はアライメントを設定した車が増加しているため、後輪でも「偏摩耗」する例が増えています。

タイヤローテーションで摩耗を均一にする

前輪の方が摩耗しやすい現象の対策として、4本のタイヤの摩耗度合いを均一にする「ローテーション」が有効です。前後のタイヤを定期的に入れ替えるタイヤローテーションを行うと、タイヤの寿命を飛躍的に向上させられます。

ローテーションの方法とポイント

タイヤローテーションの方法は単純で、フロントの2本のタイヤを後輪に、リアの2本のタイヤを前輪に付け替えます。ただし、FF車・FR車・4WD車によって、付け替える位置が変わってくるので注意が必要です。

FF車のタイヤローテーション方法

フロントにエンジンがあり前輪で駆動するタイプのFF車は、前輪の摩耗が激しいタイプの車です。

 フロント左→リア左

 フロント右→リア右

 リア左→フロント右

 リア右→フロント左

FR車、4WD車のタイヤローテーション方法

フロントにエンジンがあり後輪で駆動するタイプのFR車は後輪の方が摩耗しやすいタイプの車です。

4WDの場合FF車やFR車より摩耗具合は均等になりますが、操舵輪である前輪はやはり摩耗が早い傾向があります。また常時4駆なのか切り替え式なのかで摩耗具合が変わってきます。 

 フロント左→リア右

 フロント右→リア左

 リア左→フロント左

 リア右→フロント右

このように、FF車の場合はリアタイヤをフロントにクロスするように入れ替え、FR車や4WD車の場合はフロントタイヤをリアへクロスするように装着します。

なお、メーカーからローテーション方法が指定されている場合はそれに従ってください。

タイヤのローテーションの頻度やタイミング

ローテーション実施の頻度は5,000kmごとが目安とされていますが、特にFF車の場合はFR車に比べて摩耗の度合いも高いため、こまめにローテーションをすることが重要です。またスペアタイヤなどタイヤが5本ある場合は、全体に均等にするため5本でローテーションしましょう。

タイヤの特性や車種によっても異なってくるため、ディーラーや修理工場など普段お世話になっている所で次のローテーション時期をどうすればよいか相談してみましょう。

ローテーションのタイミングとしては、ノーマルタイヤからスタッドレスに変えるタイミング、あるいは戻すタイミングで行うと効率的です。

タイヤの種類で摩耗具合が異なる?

一般に転がり抵抗が少ないエコタイヤでは摩耗しづらく、ハイグリップなスポーツタイヤは摩耗しやすいと言われています。スポーツタイヤでは一般的な目安より早めにタイヤローテーションしましょう。

方向性タイヤをローテーションする時は、タイヤの向きに注意

FF車やFR車、4WD車によってタイヤのローテーション方法は違いますが、「方向性タイヤ」の場合は注意しなければならないポイントがあります。

方向性タイヤとはその名の通り、タイヤの回転方向が指定されているタイヤです。タイヤのサイドウォールに左右どちらかに矢印が記載されており、その方向にタイヤが回転するように装着しなければなりません。

方向性タイヤは排水、走行性能などを向上させるため、トレッド面のパターンが左右非対称になっています。もしも指定方向とは逆にタイヤを装着してしまうと、タイヤのパフォーマンスが著しく低下し、安全性を損ねてしまう危険性もあるため注意が必要です。

方向性タイヤをローテーションする場合は、左右のタイヤをクロスして入れ替えるのではなく、左右の位置はそのままに、前後の位置だけを入れ替えるように装着します。

 フロント左→リア左

 フロント右→リア右

 リア左→フロント左

 リア右→フロント右

タイヤローテーションにかかる費用は?自分でもできる?

タイヤローテーションは車体からタイヤホイールを取り外し、位置を変えるだけなのでジャッキやレンチなどがあれば自分で行うことも十分可能です。

ただし、タイヤ交換をDIY(自分でやる)場合の注意が2点あります。パンタグラフジャッキ2個で前後輪一気に交換しようとしないことです。不安定になり倒れる危険性があるので、タイヤ一個ずつ交換しましょう。

2つ目にホイールナットを適切な力で締めることです。走行中にホイールが外れる事故を避けるには、トルクレンチを使います。

大きなサイズのタイヤやナットが固く締まって取り外すことができない場合などは、ディーラーやカー用品店などの業者に依頼するという方法もあります。ホイールの組み換えが必要なく、タイヤの脱着のみなので工賃も安くなります。

業者によって工賃も若干変わってきますが、平均的な金額はタイヤ1本あたり500円程度、オートバックスやイエローハットなどの大手チェーン系カー用店では4本で2,000円程度の工賃でタイヤローテーションを行えます。2,000円や目安で、ホイールサイズや車種によって料金が変わる場合があります。

業者に作業を依頼するメリットとしては、第一に専門の作業員が安全に作業をしてくれるということと、作業の手間と時間を短縮できることに尽きます。

普段からタイヤ交換に慣れていない人は、タイヤローテーションも業者に依頼するのがベストです。

タイヤローテーションでタイヤの寿命を長持ちさせよう

タイヤは車の中でも高価な消耗品です。できるだけ長く効率的に使用することで、タイヤの寿命を向上することも可能です。

今回ご紹介したタイヤローテーションは、効率よく4本のタイヤを使用し続けるために有効な方法の一つです。また、こまめにタイヤの状態を知る機会にもなるため、定期的にローテーションを行うようにしましょう。

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