公開日:2019.10.25 更新日: 2020.11.19

タッチペンを使った車の傷塗装を解説!失敗しない塗り方や色の調べ方をチェック!必要な乾燥時間の目安とは

タッチペンというと、多くの方がゲーム機やスマートフォン、タブレットなどのタッチペンを想像することでしょう。

しかし車の塗装にも「タッチペン」という器具が用いられているのです。

今回はその「タッチペン」を用いた車の傷塗装を解説します。

また、失敗しない塗り方色の調べ方、必要な乾燥時間の目安を同時に知っておきましょう。

タッチペンとは

先にも言いました通り、「タッチペン」というと日頃から車の手入れをしている方でなければ「車の傷塗装用の」タッチペンだとはわかりません。

まずはそんな「タッチペン」についてご説明いたします。

タッチペンとは?

「タッチペン」とは車の細かい傷に対して使われる修繕のための道具です。

車で走っているとどうしても出来てしまう、飛び石や擦れなどによるちょっとした傷を隠すために使われます。

ボディがきれいなほど目立ってしまう細かい傷の数々を、自分で目立たなくするための道具がタッチペンなのです。

名前は「タッチペン」ですが、柄となる商品説明が書かれた棒に刷毛の付いた「小型の細筆」に近いものです。

ホームセンターやオンラインストアでも売っているので、お手軽に入手することができます。

タッチペンの種類は?

ひと口にタッチペンといっても様々な種類があります。

まずは太さの違いです。

タッチペンは刷毛の太さが細いものから太いものまで様々あります。

またメーカーによる違いもあります。

各自動車メーカーが専用タッチペンを販売しています。

これは車だけでなく修繕道具にまで収益を求めようという企業戦略ではなく、自社の車に対しての方が修繕道具も開発・改善しやすいためです。

他社製品に対して自社製品を使用し、それが合わなかった場合の使用者の声というものは開発側としても非常に受け止めがたいものとなります。

できる限り、自車と同じメーカーの販売するタッチペンを選びましょう。

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タッチペンでの傷塗装

タッチペンで傷を塗装するときには、傷に対するタッチペン選びが重要となります。

そこで「傷に対するタッチペン」についてお話ししていきます。

タッチペンが有効な傷は?

タッチペンが有効となる傷は、ボディについた小さな傷や大きくても範囲の小さな傷です。

広範囲に渡る大きな傷の場合には、タッチペンよりもスプレーを使用した方が良いこともあります。

また浅すぎる傷であればそのままワックスで塗っても隠すことができます。

深すぎる傷にはタッチペンの他に傷を埋める道具が必要であり、細すぎる傷だとタッチペンが入らないこともあります。

タッチペンの使用にこだわると逆に傷跡が浮いてしまうことになりかねないので注意が必要です。

また細すぎる傷に対して、つまようじを使う方法もありますが逆に傷を広げてしまう恐れもあるので、これにも注意が必要となります。

どんな傷にどんなタッチペン?

タッチペンは傷のサイズと深さに合わせて使用する種類を変える必要があります。

細かい傷には刷毛の細いもの、大きな傷には刷毛の太いものを使いましょう。

またひとつの傷に対して複数のタッチペンが必要となることもあります。

これは傷の場所によって深さが変わり、色の映え方が変わることがあるためです。

タッチペンで修繕できない傷は?

あまりに広範囲で車体全体に広がる傷や、車体を横断するような大きな傷は業者に頼む方が良いでしょう。

また下のベース層が見えるような深すぎる傷も、業者に依頼する方がきれいに仕上がります。

少なくとも、「自分で修繕できなそうだ」と感じる傷はきちんと業者に依頼しましょう。

タッチペンを使うメリットは?

タッチペンを使うメリットは、細かな傷であれば業者に頼まず自分で補修することができることです。

プロに依頼すると確実に綺麗にはしてくれますが、どうしても費用が高くなってしまいます。

ホームセンターやオンラインストアなどで手軽に入手できるタッチペンは、安価に傷を補修することができます。

失敗しない塗り方は?

ただタッチペンで傷の上をなぞるだけでは、傷を余計に目立たせる結果になってしまいません。

そこで失敗しないタッチペンでの塗装の仕方をご説明いたします。

準備するものは?

タッチペンで補修する際には、他にも様々な道具が必要となります。

最低でも以下の物はご準備してください。

  • 脱脂スプレー
  • マスキングテープ
  • 紙やすり
  • コンパウンド(または耐水ペーパー)
  • ワックス

思いがけず準備物が多いと感じられた方もいらっしゃることでしょう。

綺麗さにこだわらないのであれば必要はありませんが、きれいに補修するためにはこれらの道具が必要となります。

これらに加え、水とバケツ、カッター、アルコールなどを用意しておくと修繕作業の助けとなります。

初期費用はかかりますが一度揃えれば何度でも使用できるので、結果的に費用は安くつくでしょう。

自分で修理を試みるほどの愛車へのこだわり、または費用面での心配があるのであれば、はじめにこれらの道具を揃えておきたいものです。

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塗り方は?

タッチペンでの塗装をきれいに行うためには、かなりの手順が必要となります。

傷の部分には微細な突起やくぼみが生じており、そのまま塗装するときれいにならないからです。

まず車の傷を水やアルコールで洗い、塗料が剥げて傷の周りにつながっているのであればカッターで切り取ります。

そうして傷口をむき出しにしたところで、脱脂スプレーで脱脂をします。

傷口がきれいになったら、コンパウンドを使って軽くでいいので研磨しましょう。

この作業を挟むことが仕上がりの美しさを左右します。

そして次に、塗装したい傷以外のところを塗ってしまわないようにマスキングテープを使って周りを保護します。

車用のマスキングテープは500円前後で購入可能です。

また100均ショップのマスキングテープを重ねて貼ることで代用とすることも可能でしょう。

そしていよいよ塗装です。

タッチペンで傷を塗装した場合、どうしても塗った部分が塗料で盛り上がってしまいます。

なので余分に盛り上がった塗料を紙やすりで落とす作業が必要です。

それからさらにコンパウンドで塗装した面をなめらかに仕上げて完成です。

ワックスを上塗りすればツヤ出しと傷部分の防御となります。

失敗しやすいところは?

これだけ作業工程がたくさんあるタッチペン塗装なので、失敗しやすい点もたくさんあります。

以下ではその失敗しやすい点をご紹介いたします。

  • 傷の大きさに合っていないタッチペンを使ってしまった
  • 試し塗りをせず使ってしまった
  • 色の合わないタッチペンを使ってしまった
  • 乾いたら傷の部分がへこんでいた
  • 色がきちんとついていなかった

これらの失敗は、誤った方法でタッチペンを使用してしまったというよりも、面倒がってタッチペンでの塗装作業工程を飛ばしたり充分に理解していなかったりすることによる失敗です。

自分で塗装する際には、きちんと調べて理解した上で実行に移しましょう。

失敗しないためのコツは?

失敗しやすいポイントはわかったところで、そこへの対策をきちんと押さえましょう。

愛車を余計に悲惨なものにしないために、これはとても重要なことです。

まず1つ目「傷の大きさに合っていないタッチペンを使ってしまった」への対策です。

傷が浅いのに太いタッチペンで補修してしまうと、補修前よりもかえって目立ってしまうことがあります。

爪がかからないような浅さならワックスで上塗りするだけでかまいません。

そこまで浅くはないのであれば、細めのタッチペンを選びましょう。

そして2つ目「試し塗りをせず使ってしまった」への対策では、事前の試し塗りをすることが大切です。

試し塗りをせずいきなり使用してムラができてしまうことがあります。

3つ目「色の合わないタッチペンを使ってしまった」への対策では、事前に色を調べておくことが大切です。

色選びの方法については後述いたします。

4つ目「乾いたら傷の部分がへこんでいた」への対策では、塗料をケチらずにたっぷりと使うことが大切です。

もし余分があっても、仕上げ工程で紙やすりなどで削り取ります。

へこんでいるともう一度塗り直しになってしまうので、とても手間がかかってしまいます。

塗料を多めに盛ることが重要なのです。

そして5つ目「色がきちんとついていなかった」への対策では、傷に合ったタッチペンを使い分けることが重要です。

細、中細、極細など、タッチペンの太さには様々あります。

傷の奥まで塗料が入り込むよう、筆をきちんと適切に選びましょう。

タッチペンの使い方

タッチペンにも太さの違いがありますが、一般的には太いものから細いものへと使っていきます。

これははじめに傷の塗り逃しがないようにしたあと、傷の深い部分にも塗料をしっかりとつけるためです。

逆の順番で塗ると、せっかく傷の部分に盛った塗料を、太いタッチペンで周りと同じ高さかそれ以下にこそぎ落としてしまいます。

これは乾いたときに傷の部分がへこんでいるという失敗に繋がるのでおすすめできません。

色の調べ方は?

愛車の傷が目立つから塗装したのに、その色が周りの色と合わずに浮いてしまうようでは悲劇です。

そこで車の外側の色はどうやって調べればいいのかと、それに合う塗料の色の調べ方をご紹介いたします。

車の色の調べ方は?

完璧に合致する色選びのためには、まず車のボディのカラーを知っておかなければなりません。

これは、感覚で選ぶと失敗してしまいますので調べましょう。

メーカーや車種によってカラーは決められています。

そしてカラーナンバーというものが与えられています。

カラーナンバーは型式表示プレートと呼ばれるものに記載されています。

またカラーナンバーの書かれたシールが貼ってある場合もあります。

どちらも探せなければ、少し手間ですが公式ホームページより調べてください。

ディーラーに尋ねるのもひとつの手です。

塗料の色の調べ方は?

塗料側の色は、こちらも容器にカラーナンバーが記載されています。

自車のカラーナンバーと同じものを選びましょう。

オンラインストアの場合も同様です。

記載されているカラーナンバーが自車のカラーナンバーと合致するかどうかを確かめた上で購入しましょう。

カラーナンバーが記載されていない場合は購入を控えた方が賢明です。

乾燥時間の目安は?

きれいに塗装できても、乾燥しきったと思い触れてしまい、そこがまだ乾燥していなかったという事態になれば、せっかくの苦労が台無しになってしまいます。

そこで乾燥時間の大まかな目安も知っておきましょう。

メーカーによる違い

メーカーによって乾燥時間の表示は異なります。

これはきれいに乾燥すると保障できる時間がことなるからです。

含まれている成分も微妙に違うので、きちんと容器に書かれた乾燥目安時間を確認するようにしましょう。

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色による違い

乾燥目安時間は色によっても少し異なります。

これも、含まれている成分の違いによるものです。

また傷の目立ちやすさも影響しています。

細かい傷の目立ちやすいブラックでは、乾燥時間が少し長めです。

その辺りも塗料の記載をよく見るようにしましょう。

タッチペンの種類による違い

タッチペンの種類が違うということは、傷の種類が違うということです。

傷が深く複雑であれば時間がかかり、浅く単純であれば短くて済みます。

ただし短くても30分はみておきましょう。

研磨もするのであれば、1日は乾燥させておきたいものです。

傷の深さによる違い

傷が深いと何層にも重ねて塗ることになるので、その分乾燥にかかる時間も長くなります。

厚さで乾燥時間は大きく変わります。

重ね塗りをした場合、きれいに仕上げるためには2週間ほど乾燥させておくのが好ましいです。

正しくタッチペンを使おう!

タッチペンの使い方、色の選び方に乾燥時間の目安などをご紹介してきましたがいかがでしょうか。

愛車の傷は悲しいものです。

そこに塗装で失敗すれば、さらに悲しむことになってしまいます。

もちろん愛車は傷つかないことが1番です。

しかし、もし傷ついてしまったときには、そんな悲しみの連鎖を生んでしまわないよう、正しいタッチペンでの塗装を身につけておきましょう。

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