車を所有していると定期的な出費となる車検。少しでも安く済ませる方法はあるのでしょうか?
また、後払いや分割払いなどに対応しているのでしょうか?
今回は「安くすること」に着目して、業者を選ぶポイントや支払い方法を解説していきます。
目次
車検料金は安くできる?
車検料金の中には様々な項目が含まれています。どの項目において料金を安くできるのか確認してみましょう。
2種類の内訳がある
まず車検料金は大きく分けて2種類、「法定費用」と「車検基本料」があります。
「法定費用」は法律で定められている費用。自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の保険料、自動車重量税、印紙代が該当します。
それ以外の費用が「車検基本料」。点検や整備の技術料、交換した部品や使用した油の費用などが該当します。
どれくらい整備が必要かによって費用は変動するでしょう。
節約できる項目は?
法定費用は法律で定められているので変わりません。節約できるのは「車検基本料」です。業者によって「車検基本料」の相場はバラバラ。
というのも、どのくらいの水準で整備を行うかや、部品を安く準備できるかどうかによって、最終的な金額の積み上げが変わるのです。
「車検を通す」という目的だけでなく、「将来の故障や破損を未然に防ぐ」という観点で整備する業者もあります。
この場合、費用は高くなりがちですが将来的にはトラブルなく過ごすことができ、急な出費を抑えることができますね。
「安い」以外にも注目したいポイント
どの項目に注目すればいいのかが分かりましたね。では、実際に料金が安い業者を選ぶ場合、どんなポイントに注意するといいのでしょうか?
注意したいポイント
「安さ」を追求するうえで注意したい点があります。一見安い様に感じてもデメリットを伴う場合もあるのです。
「車検を通す」ことだけを目的にして、最低限の整備になると、将来起こりうる故障を防げない可能性があります。
また、最低限の整備で見積もり、後から追加料金を請求するケースもあるようです。
バランスが大切
そもそも車検の目的は定期的に「車の安全性」を確認すること。「安さ」と「安全性」のバランスを意識して選びましょう。
また、車検を受ける業者の種類によって変わる特徴を知り、なぜ安いのか理解することでリスクは軽減されます。
ここからは業者ごとの特徴を見ていきましょう。
業者ごとの料金・特徴
「料金」と「特徴」の2点に注目して業者ごとの違いに迫ります。なぜ業者ごとに価格に差が出るのか、その理由を紐解きましょう。
車検を受けられる業者の種類
車検を受けられる業者には大きく分けて5つあります。
- 車検専門店
- ディーラー
- 整備工場
- カー用品店
- ガソリンスタンド
それぞれにメリット・デメリットがあるので、ひとつずつ確認していきましょう。
車検専門店
その名のとおり車検を専門にした業者です。車検以外のサポートに対応していない代わりに、車検時にはコストパフォーマンスの良いサービスが受けられます。
故障した時の対応や困りごとなど、一貫してサービスを求める場合には不向きです。
ディーラー
ディーラーは車に関する知識が豊富なので、信頼のおけるサービスが特徴です。
「車検を通す」目的よりも高い水準の整備をする傾向にあり、品質の高さがウリといえます。
品質に比例して料金も高くなりがち。手厚いサポートを求める人に適しています。
整備工場
工場によって技術力・整備水準・料金に差があります。そのため、一概に料金が高いとも低いともいえません。
いくつか見積もりをした上で比較検討したい人におすすめです。また、「認定工場」か「指定工場」かによってスピード感も変わります。
「認定工場」の場合はその場で車検を実施することができません。そのため、車検場へと持ち込む必要が出てきます。
持ち込めばある程度の時間がかかるでしょう。
「指定工場」の場合はその場で車検を実施できます。場合によっては1時間以内で実施する業者もいて、スピードを重視する人に適しています。
カー用品店
カー用品店は販売のイメージが強いですが修理・整備にも力をいれており、その一つに車検があります。
カー用品店の場合は部品に関する知識が豊富なのが特徴。チェーン店だと仕入れる時の規模が大きいことから、部品ひとつひとつの費用が抑えられるメリットもあります。
同じ整備内容でも部品費用が少なければ、品質を妥協することがありません。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでも豊富なサービスが展開されています。車検を行っているガソリンスタンドもあります。
ガソリンスタンドの特徴としては、アクセスのしやすさや利便性です。ですが、選べる部品の種類には限りがあります。
車や部品に対する専門知識も、ディーラーやカー用品店の方が期待できるでしょう。
安くすませる方法はある?
業者の特徴をチェックしてきましたが、具体的にどの方法が安くなるのでしょうか?「安さ」に焦点を当てつつ、さらに深掘りしていきます。
車検だけが目的なら「車検専門店」
まずは「車検を通すこと」を目的にしている場合、「車検専門店」の利用がおすすめです。
車検に特化しているため費用・時間ともに無駄がありません。また、車検に対する技術力も高いです。
将来の故障を未然に防ぐ整備は含まれないので、廃車の予定がある場合などは割り切るのもいいでしょう。
「車検専門店」はフランチャイズやチェーン店を選べば、料金やサービスが統一されています。
事前に内容を確認できるためスムーズに進めやすいですね。
また、全国規模であれば店舗を探す手間も省けます。
大手車検専門店をチェック
全国規模で展開している大手車検専門店は以下のとおりです。
- コバック
- さくら車検
- ホリデー車検
- マッハ車検
多くの場合、指定工場を持ち、そこで車検を実施するのでスピードが速いです。
その代わり車の持ち込みや引取りは自身で行うケースがあります。事前にその手間を確認しておきましょう。
指定工場は当日中に車検が完了することが多く、持ち込みをしたとしても効率的ではあります。
車検以上のサービスなら「カー用品店」
「カー用品店」のサービスもコストパフォーマンスを重視する傾向にあります。コースごとに整備のランクを変えられるでしょう。
そして前述したように、「部品そのものの価格を抑えることで品質は落とさない」という考え方もできます。
「カー用品店」においても「車検専門店」と同様、フランチャイズやチェーン店の展開がありますね。
統一された料金なので何度も見積もり・比較する手間が省けるでしょう。
オプションで車検後の補償がついている場合もあります。「車検専門店」と比較するとサービスが手厚いです。
大手カー用品店をチェック
大手カー用品店には、どんな違いがあるのでしょうか?まず業界シェアは以下の2つが断トツで大きいですね。
- イエローハット
- オートバックス
イエローハットは、アフターサービスの手厚さが特徴です。
車検から6か月後にも無料で点検を受けることができ、そもそもの車検の点検・整備内容も豊富。
加えて部品の安さもあることから、「安さ」と「安全性」のバランスが良いといえます。
オートバックスは、車検有効期間の初日から1年間、3つの補償が受けられます。
内容は「パンクによるタイヤ交換」「窓ガラスの修理・交換」が1,000円、「バンパー傷の修理・交換」を3,000円で受けられるという補償。
また、車検を受けた人は「メンテナンスカード」の発行があります。
これにより、メンテナンスメニュー(10種類の項目)を無料で2年間受けられるようになるのが大きな特徴です。
イエローハットとオートバックス、どちらも車検にとどまらない充実したサービスがありますね。
ユーザー車検はどうなのか?
自力で点検・整備・車検場への持ち込みまでを行うユーザー車検。
「格安で車検を通せる」ともいわれており、「安さ」を理由に検討する人もいます。
ですが、結論からいうとユーザー車検はおすすめできません。
業者での点検は専門的な機械を使って検査しています。個人でそれと同等レベルの点検を行うのは難しいでしょう。
また、いざ車検に出して通らなかった場合、再度やり直しになります。
そして、車検に通ったとしても、車検以外の項目の故障などを見落とす可能性も。何か起きてからでは遅いので、専門の業者を頼るようにしましょう。
後払い・分割払いは可能?
費用を安く抑える以外にも、支払い時期の調整という考え方もあります。車検において後払いや分割払いは可能なのでしょうか?
現金払いが必要な費用
法定費用については現金払いが必要です。
これらの費用は法律で定められており、税金や手数料として国に支払うもの。整備にかかる費用とは種類が大きく異なります。
カード払いや分割払いはできないと認識しましょう。「車検基本料」についてはカード払いが可能なので、分割払いやボーナス払いが利用できます。
全額現金の場合もある?
「車検基本料」も現金払いという業者は多くあります。
高額になるからこそ、ポイント還元などのメリットを考えてクレジットカードを使うという人もいるはず。
その場合、事前に利用したい業者や店舗がクレジットカードに対応しているか確認しておきましょう。
なお、整備工場などはクレジット機能を導入していない場合が多いです。
フランチャイズやチェーン店などの大規模な組織であれば、導入している可能性は高まるといえます。
車検のローンがある
車検専用のローン会社もあり、クレジットカードの取り扱いが無い場合でもよく準備されています。
いわゆる「車検クレジット」と呼ばれるものです。こちらはクレジットと同様に審査があります。
審査にある程度の時間を要する点と、審査が下りるかどうか確実ではないという点に注意しましょう。
クレジットカードとローン、いずれも厳しい場合は、最低限のサービスに絞り車検費用自体を安くすることがおすすめです。
最後に
ひとことで「安くする」といっても様々な項目がありましたね。
車検のみを目的とするのか、その先の費用まで見越すのか。そして、実際に支払う場合にどんな方法があるのか。
こういった要素を踏まえることで、より良い結果に近づくのではないでしょうか。
前述したように「安さ」のみに注目すると、結果的に出費が増えるケースもあります。
業者の特徴を知っていると安い理由も分かり、リスクを回避できますね。