公開日:2018.09.25

タイヤのバランス調整について

タイヤのバランス調整は新品やホイールを交換するときに欠かせません。具体的な方法と実施のタイミング、業者に依頼する際の価格や作業時間についてこちらで紹介していきます。わずかなズレが重大な事故に繋がる可能性もあります。

タイヤを新品に交換したり、ホイールを交換したりする際にはタイヤのバランス調整を行います。タイヤやホイールは一見すると真円に見えますが、実際にはわずかに重量のバランスが崩れています。わずかなバランスの崩れであっても、高速走行の際には影響が大きくなり、重大な事故に繋がる可能性もあります。

今回はタイヤのバランス調整がなぜ必要なのか、バランス調整の具体的な方法と実施のタイミング、業者に依頼する際の価格や作業時間といったトピックについて解説します。

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バランス調整の必要性

冒頭で述べたように、タイヤやホイールは一見すると真円に見えますが、実際にはわずかな変形や歪みがあるため、完全な真円ではありません。したがって、部位によって重さの違いが生じます。タイヤの製造工程において生じる歪みなので、残念ながら避けることはできません。

そのため、タイヤの取り付け作業においてバランス調整は必須となっており、特に国産のタイヤには「軽点」と呼ばれる黄色のマークや「ユニフォミティマーク」と呼ばれる赤色のマークがタイヤ側面にペイントされています。

軽点はその名の通り、タイヤのうち最も軽くなっている部分を示しています。また、ユニフォミティマークはタイヤの外径が最も大きくなっている部分を示しています。

では、タイヤのバランス調整を行わないとどのような影響が現れるのでしょうか。バランス調整の影響が顕著となるのは高速走行時です。

バランス調整を行わないとタイヤの重心とタイヤの回転軸が一致しないため、遠心力によって回転にブレが生じます。高速走行時は特に遠心力が強くなるため、ハンドルが大きく取られたり車体が揺れたりすることもあります。

このように、タイヤのバランス調整を行わない状態で高速走行すると車の挙動が不安定となります。タイヤの転がり抵抗が増すため燃費が悪くなりますし、タイヤの一部だけが極端にすり減る偏摩耗が起こりやすくなります。

また、悪い場合にはタイヤの一部で生じた変形がタイヤ全体に波及することでバーストに繋がる、いわゆるスタンディングウェーブ現象の原因にもなりえます。加えて、バランスの崩れによって車体の挙動が不安定になるとドライバーがその都度、車を制御しなければならないため、ドライバーの疲労も増します。

最近では交通事故の原因の半数以上がドライバーの不注意に由来しています。ドライバーの疲労が増すと注意力が散漫になるため、より事故を引き起こしやすくなります。

バランス調整の方法とタイミング

タイヤにおけるバランス調整の重要性をご理解頂けたでしょうか。では、実際の調整方法についてご紹介します。調整にあたっては「ホイールバランサー」と呼ばれる専用の機械を用います。タイヤを高速で回転させ、回転の歪みを検出します。

回転に歪みが確認できた場合、ホイールの内側に「バランスウェイト」と呼ばれる重りを貼り付け、回転の歪みを修整していきます。タイヤとホイールの組み合わせによって歪み方が異なりますので、全てのタイヤに対して調整を実施する必要があります。

次に、調整が必要なタイミングです。通常、タイヤの組み替えを実施した時に調整を実施します。具体的には新品タイヤに交換したり、スタッドレスタイヤに交換したりしたタイミングです。

ホイールのうち、タイヤに空気を注入するバルブが付いている部分は他の部分より重くなっています。タイヤも製造時においてわずかに形状や重さの歪みが生じているため、ホイールとタイヤの組み合わせが変わった際にはその都度、バランスを取る必要があります。

あまりに回転のバランスが悪い場合、車検を通過できないか、車検時に強制的に調整されてしまいます。

また、ウェイトが走行中に剥がれてしまった場合も回転のバランスが変わります。適正な空気圧にしているのにハンドルが取られる、車体が大きく揺れる、といった場合には再度バランス調整を行うことで改善される場合があります。

自分でバランス調整に挑戦する

バランス調整をドライバー自身で実施する場合、重量のバランスを取るための重りと、タイヤを高速で回転させて回転バランスを計測するホイールバランサーが必要です。重りにはアルミホイール用のものとスチールホイール用のものがあります。

また、貼り付け式のものが主流ですが、ハンマーを使ってホイールへ打ちこむタイプのものもあります。材質についても、鉛のものが主流ですが、環境へ配慮して鉛フリーと謳っている製品もあります。

ホイールバランサーについては、ものによって価格が大きく異なります。電子機器を利用して測定する製品は10万円以上の価格になりますので、個人として導入するのは難しいでしょう。ここでは1万円程度で購入できる簡易なホイールバランサーについて、簡単に使い方を紹介します。

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まずホイールに付いている重りを全て取り外し、ホイールバランサーにセットします。次に軽く回転させて停止するのを待ちます。一番下に来た部分がその時点で最も重い箇所となりますので、対角線上に重りを貼り付ける、といった作業を繰り返します。

あくまで大まかにバランスを取るだけの簡便な方法ですが、長距離の高速走行をする機会がほとんど無い、頻繁にタイヤを交換する機会がある、という方は、ご自身でバランス調整を実施する方が経済的でしょう。

ちなみに、最近ではタイヤとホイールのセットをネットで購入できるようになっています。注文後、バランス調整まで行った状態で送ってもらえる場合も多いため、ホイールバランサーは必要なく、古いタイヤをホイールごと外し、到着した商品をすぐに取り付けることができます。

さて、高速走行をする機会が多い、タイヤの交換頻度が低い、という方は、ご自身でバランス調整を実施するのではなく、カー用品店やガソリンスタンドといった専門業者へ作業を依頼することをおすすめします。

専門業者へバランス調整を依頼する

カー用品店やガソリンスタンドといった専門業者にバランス調整を依頼するのは、主にタイヤ交換のタイミングでしょう。タイヤの脱着、バランスの測定、ウェイトの調整まで、一貫して実施してくれます。

新品タイヤの交換を依頼する場合はバランス調整を含めた価格となっている場合が多いようです。業者によって異なる場合もあるようですので、事前に確認しておきましょう。

バランス調整のみを依頼する場合の価格は、消費税抜きで1本あたり1,000円、4本で4,000円程度のようです。また、作業時間としては4本で20分~30分程度を要するようです。

ただし、店舗の混み具合やタイヤの状態などによって作業時間は変動します。タイヤ交換を依頼する場合、調整のみを依頼する場合、どちらにしても事前に予約しておくほうが無難でしょう。

まとめ

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今回はタイヤのバランス調整がなぜ必要なのか、調整の具体的な方法と実施のタイミング、業者に依頼する際の価格や作業時間といったトピックについて解説しました。タイヤのバランス調整はあまり知られていませんが、安全性に関わる重要な点検項目です。

バランスが適切に調整されていないと、燃費の悪化や偏摩耗といった悪影響に繋がるだけでなく、最悪の場合はバーストなどの重大な事故に繋がる可能性があります。

通常、バランス調整はタイヤの交換時に行うものですが、適正な空気圧にしているのにハンドルが取られる、車体が妙に振動する、といった状態を感じた場合はバランスウェイトが剥がれているなど、タイヤのバランスが狂っている可能性があります。そのような場合は異常が無いかどうか、専門家に見てもらうことをおすすめします。

安全で快適なカーライフを送るために、バランス調整だけでなく、日頃から様々なメンテナンスをこまめに行っていきましょう。

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