公開日:2018.04.24 更新日: 2018.05.01

長旅のお供に、快適で疲れにくいコンフォートタイヤを

コンフォートタイヤは長旅のお供として快適なドライブをサポートします。帰省や旅行などの長距離の運転は疲れるもの。疲労を軽減する仕組みと静粛性、メーカーごとに特徴が異なる理由についてご案内します。

大型連休になると、帰省や旅行など、車で長距離を移動するシーンが増えますね。数百kmもの距離を運転される方もいらっしゃることでしょう。長距離運転は疲れるもの。運転時の疲労が蓄積すると、旅行や帰省を楽しめないだけでなく、事故にも繋がりかねません。運転時の疲労を軽減するために、コンフォートタイヤを検討してみてはいかがでしょうか。

コンフォート(英語: comfort)とは「快適さ」のことです。コンフォートタイヤはその名の通り、走行時の騒音、振動などを抑え、快適な乗り心地を追求したタイヤです。今回は快適なドライブの一助となるコンフォートタイヤについて解説します。

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コンフォートタイヤについて

コンフォートタイヤとは標準的なタイヤに比べて騒音や振動が少なくなるよう、路面に接するゴムの硬さを標準的なタイヤより柔らかくし、トレッドパターン(溝の模様)を工夫したタイヤのことです。より性能を向上させるため、音響工学などを駆使してタイヤの構造や細部の三次元形状まで考慮されたモデルもあります。

標準的なタイヤに比べて乗り心地を向上させた分、コンフォートタイヤの価格はやや高めになります。また、買い換えのサイクルも標準的なタイヤより短くなります。一方で、コンフォートタイヤはコストに見合った乗り心地を発揮してくれるため、長距離を走るドライバーに人気があります。

騒音の低減

車の騒音はドライバーにとってストレスの元となりがちです。あまりに騒音がひどいと、車内で会話することもままなりません。ドライバーが車の静音性を求める場合、一番の近道となるのがタイヤの交換です。国土交通省の調査によると、近年では車体やエンジンの性能が向上したため、車が走行する時の騒音はタイヤに由来する音の割合が大きくなっていると報告されています。

乗用車において速度を一定に保った状態で走行した場合は騒音の 80 ~ 90% をタイヤが占めていることからも、タイヤ選びの重要性がお分かり頂けることでしょう。

車が走行する際に発生する車内の騒音は、ロードノイズとパターンノイズの二つに分けられます。ロードノイズはタイヤと路面との摩擦や衝突によって発生する「ゴーッ」という低めの音です。一方、パターンノイズはタイヤの溝が変形することで空気が圧縮されて発生する「シャーッ」という高い音です。

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コンフォートタイヤはゴムの配合やトレッドパターン(タイヤの溝の模様)を工夫することで、ロードノイズやパターンノイズを抑えています。具体的な騒音の低減度合いについてですが、ロードノイズやパターンノイズの他にも車種や走行速度などの様々な要因が騒音に影響します。したがって、騒音の低減度合いを単純に想定することは難しい、と言わざるを得ません。

体験談や実測をもとに判断する他ないのですが、車の一般的な車内騒音が 60dB 程度であること、騒音レベルが 60dB 程度の場合は大きさが 0.5dB ほど変わるだけでも聞き分けられること、等々を考慮すると、 1dB 小さくなるだけでもかなり騒音が低減されると考えてよいでしょう。

最近ではスマートフォンで騒音レベルを測ることができるアプリも登場しています。コンフォートタイヤを装着している車に乗る機会があったら、ぜひご自身で騒音レベルを測定してみて、具体的にどの程度変わるのか試してみてください。

振動の低減

車を運転している際の振動は、ドライバーの首や腰へ負担をかけます。また、車の振動は精神的な疲労にも影響していることが、生理学的な実験データからも明らかとなっています。

特に高速道路を走っていると、電車に乗っている時のような「ガタン、ガタン」という周期的な振動を覚えることがあります。高速道路は一般道に比べて高架となっている区間が多いため、路面に継ぎ目が多く存在し、この継ぎ目が高速道路を走行している際に突き上げるような振動の原因となっています。

高架の区間が全長の8割程度を占める首都高速道路はとりわけ継ぎ目による振動が多く、ドライバー泣かせであると言われています。コンフォートタイヤはゴムが柔らかく振動を吸収しやすいため、このような振動も軽減してくれます。また、接地面だけでは吸収しきれない大きな振動は側面も含めたタイヤ全体で吸収されるような設計となっているコンフォートタイヤもあります。

高速道路でなくても、長時間の運転でドライバーは連続した細かな振動を受け続けることになります。肉体的にも精神的にも少しずつ疲労が蓄積していくため、疲労を自覚した頃にはへとへとになっていた、ということになりかねません。往復の運転だけで疲れてしまっては、せっかくのお出かけを楽しむことができません。

気になる操作性と燃費

長距離を走行するとなると、操作性や燃費も気になることでしょう。ドライバーの意図から外れた走行経路を走ってしまうとストレスになったり疲労の元となったりするだけでなく、危険でもあります。

従来のコンフォートタイヤは乗り心地が良い反面、ハンドル操作に対する応答が悪く、カーブを曲がる際には外側に膨らんでしまう、という欠点がありました。

ですが、近年では各メーカーが改善に力を入れており、静粛性と操作性を高いレベルで両立させたコンフォートタイヤが多く販売されています。例えばタイヤが路面に接している部分のうち、中央のゴムは柔らかくし、両端のゴムは硬めにするなど、多様な工夫が行われています。

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燃費も同様に、低燃費性能を追求したタイヤに比べるとコンフォートタイヤの燃費はやや劣る傾向にありました。ですが各メーカーによる改善の結果、低燃費タイヤとして認められる転がり抵抗性能とウェットグリップ性能を確保している製品も増えてきました。

著名なタイヤメーカーが主力製品としているコンフォートタイヤのほとんどは低燃費タイヤです。これは路面に接する部分とタイヤの構造を支える部分のゴムの配合を変えたり、タイヤ内部に音を吸収する素材を使用したりと、ゴムの柔らかさやトレッドパターンを変えるだけでなく、様々な工夫が凝らされているためです。

タイヤメーカーはもはや、コンフォートタイヤと呼ばれる製品について騒音や振動の低減だけでは競合製品との差別化を図れなくなっているため、本来であれば相反する性能項目であるはずの操作性や燃費なども高い水準で両立させた製品を打ちだしています。

同じ価格帯の製品で悩んでいらっしゃる方は、検討している製品の個性に改めて注目し、ご自身に合った性能が期待できる製品を選ぶと良いでしょう。

また、車を試乗する機会は多くありますが、消耗品であるタイヤを試乗できることはあまりありません。タイヤ専門店のスタッフなど、多くのタイヤに接してきたプロに相談することで、比較的高価格なコンフォートタイヤを安心して購入できるでしょう。

まとめ

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今回は長時間の運転に伴う疲労を軽減できるコンフォートタイヤについて解説しました。 コンフォートタイヤは普通のタイヤに比べると高価な反面、騒音や振動を抑え、快適な乗り心地を提供してくれます。快適な運転は疲労の軽減に繋がるだけでなく、疲労に由来する事故を抑制することにも繋がります。

最後に、快適な乗り心地を確保しても、運転を続けていると疲労は溜まってしまうものです。適度な休憩を挟むことも忘れずに。せっかくの長期休暇なのですから、楽しむための気力と体力を温存して運転したいものですね。

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