スピードメーターはタイヤの回転数で計算されている
タイヤとスピードメーターについて。じつは走行中によく見る車の実測値は「今出ている速さ」を表示しているわけではありません。回転数を計測することで計算をする仕組みとなっているので、インチアップの際には注意が必要です。
走行中は、無意識ながらも常にスピードメーターを確認している。
しかし、このスピードーメーターには思わぬ誤差が生じる場合があることをご存知だろうか。
スピードメーターに30キロと表示されている場合でも、
実際に出ているスピードが30キロだとは限らないのだ。
スピードメーターの数字は正確ではなく、
実際のスピードよりわずかに速い数値が表示されているという。
安全走行のため、わざとそのような表示方法を取っている、
といった話を聞いたことのある人もいるだろう。
一体、スピードメーターはどのようなしくみで速度を計測しているのだろうか。
スピードメーターは実測値ではない
スピードメーターは、実測値、つまり「今出ているスピード」を表示しているわけではない。
タイヤの回転数を計測することでスピードを「計算する」しくみとなっている。
ほとんどの車には、タイヤの車軸にセンサーが設置されており、
一定時間のうち何度タイヤが回転するかを調べている。
タイヤの回転数に、あらかじめ設定されている数値、
つまり新車販売時に取り付けられていたタイヤの外径をかけることで、
車のスピードを算出するしくみとなっている。
しかしこのしくみには、ある問題が。
タイヤの大きさによって、測定したスピードと実際の正しいスピードとの間に、
誤差が生じてしまうという点だ。
車種によって装着できるタイヤやサイズはあらかじめ決まっている。
だが、メーカーによって多少大きさが異なるため、
純正タイヤ以外のタイヤを装着した場合、設定されているタイヤの外径に誤差が生じる。
この誤差が、スピードメーターの表示にも影響を与えるのだ。
また、タイヤがすり減っているにもかかわらず、交換を怠り履き続けている場合、
当然タイヤの外径は、設定されている外径より小さいものとなる。
設定されているタイヤの外径よりも大きくなればなるほど、スピードメーターの表示は遅くなる。
反対に、タイヤが小さくなるほど、表示されるスピードは
実際のスピードよりも早いものとなる。
スピードメーターを正確な速度に近づけていない状態は非常に危険だ。
一般道では法定速度をオーバーしていることに気がつかない可能性、
高速道路では後続車からひんしゅくを買う、なんて可能性も考えられる。
無論、車検も通らない。
そのためタイヤ交換や、タイヤのインチアップを行ったときにも注意が必要。
タイヤの交換・インチアップを行う際には
タイヤの外径が純正タイヤとほぼ同じ外径のタイヤを選ぶ必要がある。
タイヤをインチアップすると外観の印象が変わり
ドライブがより楽しいものとなる。
楽しいドライブ中に思わぬ事故を引き起こしてしまわないよう、
タイヤとスピードメーターの関係は常に頭に置いておこう。