公開日:2020.07.12

古いタイヤの廃棄・処分方法は?費用と気をつけるべきポイント

タイヤの廃棄には、廃品回収に出したりカー用品に持ち込んだり、またはオークションに出品する、買い取り業者に買ってもらう等様々です。またホイールが付いている場合は、少し変わってきます。こちらでは費用も合わせて紹介しています。

あなたは古いタイヤをどのように処分していらっしゃいますか?

タイヤ交換を実施するとき、交換の作業をしてくれるカー用品店やガソリンスタンドなどに古いタイヤを廃棄してもらう、という人がほとんどではないでしょうか。

ですが、タイヤ交換ではないタイミングでタイヤが不要となる場合もときたま訪れます。例えば、スタッドレスタイヤの寿命はおおむね購入後から3年程度と言われています。

保管している間に使用期限が切れてしまい、やむなく新しいスタッドレスタイヤに交換した場合、古いスタッドレスタイヤはご自身で廃棄することになるでしょう。

他にも、不運にもパンクが発生した際に、応急処置としてスペアタイヤへ履き替えたとしましょう。後日新品のタイヤに交換したとき、廃タイヤとなった元のタイヤを庭先やガレージに置き忘れてしまった、ということもありえるでしょう。

捨てなければならないタイヤがあるとき、タイヤはどのように廃棄すればよいのでしょうか。今回は古いタイヤを廃棄する方法について解説します。また、余談ではありますが廃棄されたタイヤの行方についても少しだけ解説します。

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タイヤの分別は?

まず思いつくのは、自治体に依頼して廃棄し、処分してもらうことでしょう。粗大ごみとして処分してもらえるのではないか、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

残念ながら、ほとんどの場合、自治体に処分してもらうことは不可能です。タイヤはゴムやワイヤーといった材料が組み合わせられて作られており、環境省によって適正処理困物に指定されています。

これは自治体の施設では適切に処分することが困難な廃棄物であることを意味します。廃棄されるタイヤは、一般廃棄物処分業の許可を得た業者か、タイヤ業界によって適切に処分することが求められています。

以上のことから、タイヤは普通のごみとして捨てることができません。業者に依頼して処分してもらうか、タイヤ販売店へ有料で引き取ってもらい、処分してもらうことになります。

タイヤの処分費用は?

最も手軽な方法は、タイヤ販売店やカー用品店に持ち込むことでしょう。タイヤ販売店やカー用品店へ廃棄したいタイヤを持ち込む場合、1本あたり300円程度で処分してもらえるようです。

ドライバー自身が車に積みこんで運搬する必要はありますが、不用品回収業者に引き取ってもらうより安価に処分してもらえます。また、タイヤ販売店であれば適切に処分するためのルートを持っているため、安心して任せることができます。

なお、カー用品店に処分を依頼する場合、ホイールが付いていても料金は変わらないようです。

不用品回収業者に依頼して処分してもらう、という方法もあります。業者によって違いがありますが、1本あたり1,000円~2,000円程度が相場のようです。4本でおおむね4,000円~6,000円程度です。

業者に依頼して処分してもらう場合のメリットは、自宅まで引き取りに来てもらえるために手間が省けるという所でしょう。デメリットはカー用品店に引き取ってもらう場合に比べると割高になるという所ですが、出張料金や人件費を考慮すればやむをえない価格です。

なお、回収・処理を依頼する業者が適正にタイヤを処分してくれるかどうか、という点には注意しましょう。もしタイヤの処分を依頼した業者が不法投棄によって摘発された場合、依頼者も罪に問われる可能性があります。

これは「依頼者が不法投棄の事実を知らなかった」場合でも適用されます。不用品回収業者に依頼する場合、その業者が一般廃棄物の収集運搬許可を取得しているか否か確認しましょう。

他の処分方法は?

捨てるのではなく売ることができるのではないか、とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。タイヤを売却する場合、インターネットオークションへ出品するか、中古タイヤの買取業者へ依頼する、という二つの方法が考えられます。

まずはインターネットオークションへの出品ですが、タイヤは劣化状態の判別が難しいため、売買者間でトラブルとなることも想定できます。インターネットオークションは個人間の取引となるため、トラブルには自身で対処する必要があります。

中古のタイヤを買い取ってくれる業者へ売却する、という方法もあります。ですが多くの場合、あまり高値にはなりません。タイヤは消耗品ですので、溝が減っていたり、汚れが付いていたりすると、商品としての価値は大きく落ちてしまいます。

例外的に、未使用のタイヤであれば、それなりの売値が付きます。製造されてからあまり年週が経過していなければ、新品同様に使うことができるためです。

また、タイヤにホイールが付いていると売値が上がる場合があります。特に高級車の純正ホイールやアルミホイールは需要が高いため、高額で買い取ってもらえることが多いようです。

総じて、中古のタイヤを売ることはかなり難しいと言えるでしょう。買取業者に依頼する場合も査定が必要になりますので、ひと手間かかってしまいます。未使用のタイヤをお持ちの場合、あるいは需要のあるホイールとセットで売る場合に限って売値が付く可能性がある、と覚えておく程度でいいでしょう。

処分されたタイヤの行方は?

現在、廃棄されたタイヤはほとんどが処分の工程を経て、別の用途へリサイクルされています。JATMA(日本自動車タイヤ協会)によれば、2017年に排出された廃タイヤのうち、なんと93%がリサイクルされており、埋め立てられるタイヤは僅かに1%程度です。

タイヤのリサイクル用途として最も大きな割合を占めているのは、燃料としての用途です。リサイクルされるタイヤのうち、65%が燃料として使われています。

軽油や重油といった燃料に匹敵するほど優秀な燃料として使われています。タイヤのゴムが燃料として使われるようになったのは1990年頃からですが、現在では国内のタイヤだけでは供給が追いつかないため、海外から輸入するほど人気のある燃料となっています。

ただし、一般のご家庭でタイヤを燃やすことは厳禁です。タイヤには様々な化学薬品が配合されているため、排煙や燃えかすを適切に処理できる施設でないと、有毒ガスなどを発生させてしまいます。

確かにタイヤは一度火が点くとよく燃えるのですが、健康を害しかねないため、野焼きなどでタイヤを燃やすことは止めましょう。

タイヤを燃やしたあとの燃えかす、いわゆる灰についても、セメントと混ぜ合わせてコンクリートとして再生したり、着色剤として利用したりと、最後まで余さず利用されています。

他にも、私たちが廃棄したタイヤからワイヤーやカーカスといった金属部品を取り除き、ゴムを細かく粉砕したものは、再生ゴムとして様々な用途に使われています。例えば、運動公園の歩道などはアスファルトより柔らかい素材で作られています。これにも廃タイヤから生まれた再生ゴムが使われていることがあります。

カーボンやワイヤーといったタイヤから得られる部品もまた、様々な業界へ向けてリサイクルされます。使い物にならなくなった廃タイヤも、見方を変えれば原材料の宝庫なのです。

まとめ

haiki

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今回は古いタイヤを廃棄する方法と、廃棄されたタイヤの行方について解説しました。まず、タイヤは環境省によって適正処理困難物として指定されているため、普通に捨てることはできません。廃品回収業者かタイヤ販売店へ依頼して引き取ってもらうことになります。

廃品回収業者に処分を依頼する場合、1本当たり1,000円~2,000円程度が相場となります。自宅まで引き取りに来てもらえるというメリットはありますが、やや割高です。

タイヤ販売店やカー用品店に処分を依頼する場合は、1本当たり300円程度が相場となります。自分で店舗まで持ち込むという手間はかかりますが、安価かつ適切に廃棄してもらえるというメリットがあります。

中古品としてタイヤを売却することも不可能ではありませんが、多くは二束三文の売値しか付きません。例外的に、未使用タイヤである場合、あるいは需要の高いホイールが付いている場合に限って、それなりの売値が付く可能性があります。

タイヤを廃棄する場合、売却する場合、いずれにしても、本記事がより良い選択への参考になれば幸いです。

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