安全運転義務違反とは?

安全運転義務違反についてまとめました。ドライバーの注意不足における交通事故は年々増加しており、警察も取り締まりを強化しております。そこで、原因となる運転操作ミスだったり、脇見運転などを取り上げ、その罰則も含めて詳しく解説いたします。

皆様は、近年の交通事故において、どんなものが多くの原因となっているかご存じでしょうか。速度超過、信号無視などを思い浮かべる方も多いことでしょう。ですが実際には、安全運転義務違反が実に七割を超えている、という状態です。

最近、免許更新センターで講習を受けた方ならご存じかもしれません。最近ではドライバーの不注意による事故、すなわち安全運転義務違反を原因とする事故が、交通事故の多くを占めるようになりました。

車両や道路の性能が向上したり、警察の取り締まりの強化などが実施された結果、残ったのは人間であるドライバーのミス、というわけです。

では、どのような行為が安全運転義務違反となるのでしょうか。今回は私たちドライバーが日頃からどのようなことに注意すべきなのか、事故に巻き込まれないためにはどうすべきなのか、安全運転義務違反の観点から、具体的な数字も交えて解説します。

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安全運転義務違反とは?

安全運転義務違反とは、道路交通法に直接違反するものではないが、ドライバーが常に気を付けなければならないことを怠った状態のことを指します。言い換えればドライバーの不注意、ヒューマンエラーです。安全運転義務違反について書かれた道路交通法の第七十条を見てみましょう。

(安全運転の義務) 第七十条 車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。  (罰則 第百十九条第一項第九号、同条第二項)

分かりやすく書き直すと「ドライバーは正しい操作で、道路状況をよく見て、事故を起こさないように車を運転しなければならない」という法律です。これをドライバーが守れない状態が安全運転義務違反です。

警視庁交通局によれば、交通事故の原因のうち、法令違反として分類されるものの中では安全運転義務違反が最も多い、という結果になっています。

ABSが普及したことで車のブレーキ性能は高まりましたし、飲酒運転の厳罰化や安全運転意識の高まりによって、10年前に比べると飲酒運転は3分の1にまで激減しました。最高速度違反に至っては、10年前には4,000件あまりだった違反件数が、現在ではわずか500件あまりと、8分の1にまで激減しています。

ですが、人間は残念ながらミスをする生き物です。安全運転意識が高まっているにもかかわらず、人間のミスに由来する安全運転義務違反は、10年前に比べて半分にもなっていません。特に死亡事故については、安全運転義務違反、特に安全不確認が圧倒的多数を占めています。

では、安全運転義務違反とは具体的にはどのような違反なのでしょうか。次からは安全運転義務違反に該当する行為についてご紹介していきます。

安全運転義務違反の内訳

具体的にどのような行為が安全運転義務違反に該当するのかご紹介します。

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運転操作不適

ハンドルの操作ミス、ペダルの踏み間違えなどが、不適切な運転操作として安全運転義務違反になります。特徴として、75歳以上の高齢運転者が起こした死亡事故における原因は、運転操作不適が最も多い、ということが警視庁交通局の報告で明らかになっています。

割合は31%です。75歳未満の運転者が起こした死亡事故における原因のうち、運転操作不適は16%ですから、違いは明らかです。お年寄りが運転している車に対しては普段以上に距離を取るなど、私たちも事故に巻き込まれない運転を心がけましょう。

漫然運転

漫然運転は内在的前方不注意とも呼ばれる安全運転義務違反です。前を見て運転しているにもかかわらず、注意が散漫になってしまっている状態です。

交通事故の報道を見ていると「気がついたら事故を起こしていた」という運転手の言葉をしばしば耳にしますが、これは漫然運転によるものです。近くを走っている車の挙動がふらふらと安定しない場合、ドライバーが漫然運転に陥っている可能性があります。これも距離を取り、事故に巻き込まれないよう注意した方が賢明でしょう。

脇見運転

脇見運転は外在的前方不注意とも呼ばれる安全運転義務違反です。原因としては、車内で物を探す、カーナビを見る、看板などを探して道路状況を見ていない、といったことが挙げられます。

ここで、心理学的には、ある物に注意を向けた後、別の事柄に注意を向け直すためには、少なくとも0.5秒~0.7秒ほどかかることが明らかになっています。つまり、前方から脇見をするのに0.5秒~0.7秒、脇見してから前方へ注意を戻すまでに再び0.5秒~0.7秒ほどかかりますから、脇見をしてしまうと少なくとも1秒~1.4秒は注意の切り替えに時間がかかってしまいます。

時速40kmで走っている場合、車の秒速は10mです。普通乗用車の車長がおおむね5m程度ですから、たった1~1.4秒の脇見運転だけで、実に2~3車長ほどもロスが発生してしまいます。

近くを走っているドライバーがきょろきょろと周囲を見まわしている場合、こちらの存在に気づいていない可能性があります。急に進路を変える可能性もありますから、この場合も距離を取るなどして警戒した方が良いでしょう。

動静不注視

動静不注視は、周囲の人や車の存在に気づいてはいるものの、危険性が無いと決め込んでしまい、誤った判断と操作をしてしまう安全運転義務違反です。

例えば混雑した道路で車線を変更する際に「ウィンカーを提示して十分な時間が経ったし、後方の車は車線に入れてくれるだろう」と判断してしまい、車線を変更した際に突っ込まれてしまう、といった状況が考えられます。

安全運転義務違反の中では、安全不確認、脇見運転に次いで3番目に多い違反行為です。周囲の車は誰も彼もが自分の存在に気づいていない、と考えた方が良い、とまで言う人もいるほどです。

安全不確認

前方や左右、後方などの安全確認が不十分な状態を指す安全運転義務違反です。毎年、交通事故原因の第一位に挙げられています。例えば、左折の際にミラーだけを見て大丈夫かどうかを判断していませんか?

おそらく、多くの方は教習所で「指示器を点灯、車を車道の左に寄せつつ、バックミラー、サイドミラー、後方を直接目視、の順番で確認すること」と教わったことでしょう。車には死角があるため、なるべく多くの手段で安全を確認する必要があります。特に左折の際は自転車、バイク、歩行者など、巻き込む可能性がある対象が多いため、安全確認の手順も多くなります。

運転が上手くなるほどにこれらの手間を省いてしまいがちですが、むしろ教習所で教わったこと以上に安全確認の手順を踏んだ方が良いでしょう。

安全速度

法定速度で走っていれば問題ない、というわけではありません。道路状況によっては法定速度を大きく下回る速度で走らなければならない場合もあるでしょう。交差点や横断歩道など、減速や徐行が必要な状況において、安全な速度で走行しなかった場合も安全運転義務違反に該当します。

余談ですが、見通しが悪く狭い道路の交差点では、徐行するのと同時に、自車の存在を周囲に伝えるためにクラクションを鳴らす必要があります。クラクションは危険を避けるために使うものです。挨拶やお礼、危険を感じた「後」に警告として鳴らす、という使い方は、道路交通法第五十四条で禁止されています。

まとめ

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今回は私たちドライバーが日頃からどのようなことに注意すべきなのか、事故に巻き込まれないためにはどうすべきなのか、安全運転義務違反の観点から、具体的な数字も交えて解説しました。

残念ながら、人間はミスをする生き物です。世の中の全ての自動車が自動運転にならない限り、安全運転義務違反に分類される交通事故は無くならないことでしょう。

ですが交通事故の件数が年々減少の一途をたどっていることを見れば分かるように、ドライバーの安全意識が高まれば交通事故は少しずつ減っていきます。また、他の車の挙動をよく観察することで、事故に巻き込まれる可能性を減らすこともできます。

これまでも、これからも、安全運転を心がけていきましょう。今回の記事が、皆様の運転を見直すきっかけになれば幸いです。

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