「ホワイトレター」でタイヤをドレスアップ!自作方法と長持ちさせるポイント
タイヤのホワイトレターで手軽に見た目をドレスアップ。今回は実施する前に注意すべきポイントから、コストのかからない方法まで詳しく解説しております。さらに空気圧のチェック、ひび割れのチェック等必要な点検についてもご紹介します。
車の足回りをドレスアップしよう、と聞いて思い浮かぶのは何でしょうか。おそらく多くの方はインチアップやアルミホイールへの交換、そしてホイールキャップの交換などを思い浮かべることでしょう。
ですがご安心を。手軽に実施できて、さほどコストもかからないドレスアップ方法があります。今回はちょっとタイヤへ加工することで驚くほど印象的な効果を生む、ホワイトレターについてご紹介します。
目次
ホワイトレターとは?
タイヤの側面には様々な記号や数値が刻印されています。この記号や数値を白く塗ってタイヤを目立たせるドレスアップ手法を指して、一般にホワイトレターと呼びます。名称の由来ですが、タイヤ側面の文字(レター)が白く(ホワイト)塗られていることに由来します。
1970年代のスポーツタイヤなどは製造時に白いゴムを使用し、ホワイトレター加工を実施していたようです。ですが、現在のタイヤではホワイトレター加工があまり見られなくなりました。グッドイヤーなど、一部のタイヤメーカーは現在でもホワイトレタータイヤを製造・出荷しているようですが、やはり少数派です。
無いなら作れば良い、というのはDIY(Do It Yourself : 日曜大工)に熱心な人々における合い言葉のようなものです。ホワイトレタータイヤが無いなら、作ってしまいましょう。ホワイトレターは専用のマーカー一本で実施できますので、ドレスアップの第一歩としておすすめです。
ホワイトレターを施すと、真っ黒なタイヤに白い刻印がハッキリと浮かび上がります。「タイヤ ホワイトレター」で画像検索などをしていただけるとよく分かりますが、単にタイヤの刻印が白く塗られているだけであるにもかかわらず、思わず目を惹かれてしまうほど、見る人に強い印象を与えます。
やってみよう、ホワイトレター
まずはタイヤの表面を綺麗にしましょう。ホースなどで水をかけてよく洗い、汚れを落としてください。このとき、洗剤は使わないようにしましょう。タイヤは化学製品ですので、薬品を使うと変質してしまいます。
もともとタイヤのゴムには保護材が配合されているため、洗剤やタイヤワックスなどは必要ありません。それでも汚れが落ちなくて気になる、という方は、薄めた中性洗剤を使いましょう。
柔らかいブラシなどでタイヤの表面に付いた汚れを落とした後、すぐに真水で洗い流してください。くれぐれも洗剤が付いたまま乾かさないように。界面活性剤が保護材を染みださせてしまい、タイヤの寿命を縮めてしまいます。
さて、タイヤが綺麗になったらいよいよタイヤマーカーの出番です。ホワイトレター用のタイヤマーカーはホームセンターやカー用品店で販売されており、1,000円程度で購入できます。修正用に黒いペンが付属しているものを選ぶと良いでしょう。
最近では通販でもホワイトレターのタイヤマーカーを購入でき、使用者のレビューも多く掲載されています。レビューを参考にしながら、ご自身に合った製品を選んでください。
塗り方はあなたのセンス次第。まずはスタンダードに文字を真っ白に塗りつぶしてもよいでしょう。手先の器用さに自信がある方は、文字を縁取りするように塗ってみてはいかがでしょうか。もし縁取りに失敗してしまったときも塗りつぶせばよいので、チャレンジしてみる価値はあります。
他にも、タイヤの内側に円状のラインを引く「ホワイトリボン」という塗り方もあります。インクを多く消費しますし、難易度も高くなりますが、白文字だけでは満足できない、という方は挑戦してみてください。
多くの場合、1回塗るだけでは十分に白くなりません。いったん乾かし、重ね塗りすることで綺麗な白色になります。屋外での作業になるでしょうから、乾かす間に休憩を取りながらコツコツ実施していきましょう。
ちなみに、タイヤマーカーを横向きにするとインクが出にくくなります。上手に塗る小技として、マーカーのインクを小さな皿やペットボトルの蓋などに出しておき、細い筆でインクを取ってタイヤへ塗る、という方法があります。マーカーが太すぎて小さな文字が塗りづらい、という方は、小皿と筆のテクニックを思い出してください。
普通の白インクペンではダメなの?
普通のペンに比べるとタイヤマーカーはやや高い、という印象を持つ方もいらっしゃるでしょう。実際に、いわゆるポスカのような一般的な白インクペンを使う方もいらっしゃるようです。
ですが、今回の記事ではおすすめしません。先述したように、タイヤのゴムは化学製品であり、基本的に薬品を塗布することはNGです。
その点、タイヤマーカーはタイヤに塗布することを想定して製造されているため、タイヤへ与えるダメージも最小限に抑えられていると考えられます。どうしても安く抑えたい、という方は、タイヤマーカーと同じ溶剤を使っているペンを探してみてください。
ホワイトレターが剥がれてしまった!
ホワイトレターを施した後、走行していたら剥がれてしまった、という理由でタイヤマーカーの通販サイトに低評価を付けているレビューをよく見かけます。ですが、ホワイトレターが剥がれてしまうのは、ある程度は仕方のないことです。
というのも、本来のホワイトレタータイヤは刻印された部分そのものが白いゴムとなっているものです。塗料によってホワイトレターを施した場合、走行時のタイヤの歪みや、付着する汚れなどによってどうしても塗料が剥がれてしまいます。
まずはタイヤの歪みによって塗料が剥がれることを最小限に抑えるため、空気圧を定期的にチェックしましょう。一般に、タイヤの空気圧は1ヶ月で10%も抜けてしまいます。空気圧が低くなるとタイヤが潰れるように変形するため、それだけ塗料が剥がれやすくなります。
いい機会ですので、せっかく施したホワイトレターを維持するためにも、そして日々のドライブにおける安全のためにも、空気圧は定期的にチェックしましょう。
また、ペンがあれば簡単に塗り直すことができるのは、DIYでホワイトレターを実施することのメリットでもあります。剥がれてしまった箇所をタイヤマーカーで補修するように塗り直しましょう。塗り直す際、ついでにタイヤにひび割れが無いか、異物が刺さっていないか、という点検も実施してしまいましょう。
空気圧やひび割れのような点検は、ともすると怠りがちです。ホワイトレターをきっかけとして、タイヤの点検頻度が上がれば安全なドライブにも繋がります。
ちなみに、塗り直すのは面倒だし嫌だけど、ホワイトレターは実施したい、という方は「タイヤプリント」というサービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。DIYでペイントするのではなく、専用の機械(プリンター)を用いてタイヤに塗料を吹き付ける加工方法です。
耐久性もDIYとは段違いです。現在のところタイヤプリントサービスを提供している店舗はあまり多くないようですが、もし近所にタイヤプリントを実施している店舗がある場合は選択肢のひとつとして考慮してもよいでしょう。
まとめ
今回はドレスアップの初歩として、ホワイトレターについてご紹介しました。近年ではメーカーがタイヤを製造する際にホワイトレター加工を施さなくなりました。逆に言えば、ちょっとした工夫でいっきにドレスアップできる、ということでもあります。
ホワイトレターを実施する際にはタイヤを真水でよく洗うことと、専用のマーカーを使うことに注意しましょう。タイヤには製造時にゴムを保護する成分が含まれています。この保護材を無駄にしないためにも、洗剤を用いたり、不適切な溶剤が含まれているペンを使ったりすることは避けた方が良いでしょう。
最後に、DIYによるホワイトレターは走行中にどうしても剥がれてしまいます。塗り直すのが面倒だと感じられるかもしれませんが、同時にタイヤの点検をするのだと考えれば、良いきっかけになるのではないでしょうか。