公開日:2019.01.30 更新日: 2019.01.31

モータースポーツは面白い!

モータースポーツが好きという方も少なからずいるのではないでしょうか。フォーミュラ1、世界ラリー選手権など聞いたことある方も多いと思います。ここではどんな競技なのか、技術やテクニックの裏側など簡単に紹介しております。

フォーミュラ1や世界ラリー選手権などをはじめとして、世界中で様々なモータースポーツの大会が開催されています。モータースポーツといえば、とにかく車が速く走ることを追求する競技を想像される方も多くいらっしゃることでしょう。

ですが、実際にはドリフトの技術を競ったり、耐久性を競ったりと、モータースポーツのレギュレーションは実に多様です。

今回は様々なモータースポーツを幅広くご紹介します。もちろん、ちょっとした車好きに過ぎない筆者より、モータースポーツに詳しい方は数多くいらっしゃることでしょう。

今回はモータースポーツについて浅く広くご紹介いたしますので、あまり深くご紹介できないことには目をつむっていただければ幸いです。

motorsports1

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速さを競うモータースポーツ

モータースポーツの花形と言えば、やはりフォーミュラ1(F1)、あるいは世界ラリー選手権(WRC)でしょう。F1のトップドライバーは、整備された舗装路面を走行することにかけては地球で最も運転が上手い人々です。

一般道路だけでなくオフロードも走行する世界ラリー選手権のトップドライバーは、人類の中で最もオールマイティな運転技術を持つ人々であると言えるでしょう。

地球、人類、と規模が大きな話になりましたが、モータースポーツのトップドライバーはそのように表現しても過言ではないほど卓越した運転技術を持っています。特にF1やWRCでは高速なレースが展開されるため、モータースポーツのドライバーには運転技術だけでなく、強靭な身体や精神も要求されます。

例えばコーナーを曲がる際、モータースポーツのドライバーは強烈な遠心力に耐える必要があります。F1ドライバーが厳しいコーナーを曲がる際に受ける遠心力はなんと5G以上、地球重力の5倍もの力がかかります。

それほど強いGがかかると常人の心臓では血液を脳まで運ぶことができなくなり、失神してしまいます。

スペースシャトルの打ち上げ時でも、宇宙飛行士にかかる加速力は3.5~4.5G程度、それも数分間のことであると言われています。F1ドライバーは常人ではとても耐えられない加速度に晒されながら、わずかでも誤れば命の危機に直結する判断を1時間以上も繰り返しているのです。

WRCも見てみましょう。WRCについてはドライバーの運転技術もさることながら、助手席に座ってドライバーを補佐するコ・ドライバーにも注目したいところです。

コ・ドライバーはコースの内容をあらかじめペースノートというノートに記録しておき、レース中にはペースノートを読み上げることで、運転に集中しているドライバーへ必要な情報を提供します。

コ・ドライバーがどれほど凄い存在なのか分かる「事件」をご紹介しましょう。2003年に開催されたWRCのアクロポリス・ラリーにおいて、トップを走っていたマルコ・マルティンのマシンにアクシデントが発生しました。

なんと、衝撃でボンネットの先端が跳ねあがり、視界がほぼゼロになってしまったのです。ですが、コ・ドライバーのマイケル・パークは冷静にペースノートを読み上げました。

そしてドライバーのマルティンもまた冷静に、ボンネット下のわずかな隙間から見える景色と、コ・ドライバーのマイケルによる指示を頼りに運転を続行しました。結果、彼らはそのまま走りきってアクロポリス・ラリーで優勝してしまったのです。

凄いのはドライバーだけじゃない

F1やWRCといった過酷なモータースポーツでは、ドライバーだけでなく、ピットクルーあるいはメカニックと呼ばれる、マシンの専門家も素晴らしい働きをこなしています。

ピットとはマシンのタイヤを交換したり補給したりする、いわば前哨基地のようなものなのですが、F1レースにおけるピット作業の時間はなんと、わずか3秒程度。たった3秒でタイヤ交換を済ませてしまいます(現在のF1はレース中に給油を行いません)。

ちなみに最速記録はなんと1.92秒です。F1は0.001秒を争う世界ですから、ピットクルーもまた世界最高峰のスペシャリストなのです。

WRCのメカニックはF1とは違う方向で大変です。オフロードを走る都合上、マシントラブルは付き物で、時にはどう見ても走れない状態まで壊れてしまったマシンがピットに入ってきます。それでもマシンを走れるようにするのがメカニックのお仕事。使えなくなった部品はものの数分で取り外されます。

ボディの変形はハンマーで叩いて直し、外れかけのドアは紐で固定し、ボルトが足りなくなれば手近な設備から「借りて」ねじこみ、驚くほど短時間で修理を済ませ、マシンを再びレースへと送り出します。

レース中にドライバーやコ・ドライバーがマシンを応急修理することも珍しくありません。走行中の森で拾った丸太をパーツの代用にしたり、ラジエター液の代わりにビールを注いだりと、いささか常識外れなドライバーもいます。

技術を競うモータースポーツ

一言で運転技術といっても、高速で過酷なレースを生き抜く運転技術もあれば、いかに「魅せる」かという運転技術もありますし、いかにマシンを消耗させないかを問われる運転技術もあります。モータースポーツ界では、様々な運転技術を競う大会が多く開催されています。

例えばドリフト。本来はコーナーを曲がる際にスピードを落とさずに曲がりきるテクニックですが、横すべりしながらも操縦能力を失わない様子が見栄えするため、ショーの演目としても実施されています。

F1をスピードスケートにたとえるなら、ドリフトの迫力や芸術性を競う様子は、フィギュアスケートのようだと表現してもよいでしょう。著名な大会としては、全日本プロドリフト選手権(D1グランプリ)や、アメリカで開催されるフォーミュラ・ドリフトなどがあります。

motorsports2

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あるいは耐久性。ル・マン24時間はその代表格でしょう。その名の通り、24時間走り続け、サーキットの周回数を競うレースです。ドライバーは交代制ですが、マシンは交代できません。最後の数分でマシントラブルが発生し、トップから脱落する、といったことも起こります。

ドライバーにはマシンの消耗を抑えながら走行する技術が求められ、メカニックには確実に動作し続けるマシンを整備する技術が求められます。

速さと技術を求める人々

人はなぜ「速い」「上手い」ということに憧れるのでしょう。短距離走、競馬、自転車のツール・ド・フランス、クロスカントリースキーなどなど、ここでは挙げきれないほど、世界中で様々な種目のスピード競争が行われています。各競技の選手は時に人生を賭けてまで鍛錬に取り組み、観客は時にお金を賭けてまで熱狂します。

単純に短い時間で目的地に到達するだけなら、飛行機や高速鉄道を利用すればいいはずです。交通網をよく整備し、便利な地域に住めばいいはずです。

ですが、現実には様々な地域に住む様々な人々が、あえて非効率的な移動手段の「速さ」と「上手さ」を競い、興奮し、遠く離れた競技場まで出向くのです。

もちろん車も例外ではありません。おそらくもっとも有名なモータースポーツであろうF1で活躍しているセバスチャン・ベッテルの年俸額は、推定でなんと67億5000万円(2018年時点)です。

同年におけるメジャーリーグベースボール(MLB)のトッププレイヤーであるマイク・トラウトの年俸額は36億3000万円ですから、モータースポーツドライバーの年俸最高額は野球選手の年俸最高額に対して倍近くの差を付けていることになります。

上述の最高年俸額の比較は、もちろん競技人口などを考慮しておりませんので、厳密には公平な比較とはいえません。ですが少なくとも、効率などとは全く別の価値観に基づいて、私たちは車の運転が上手い人の価値を大いに認めている、ということは言えるでしょう。

まとめ

motorsports3

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今回は様々なモータースポーツを幅広くご紹介しました。もちろん今回ご紹介したモータースポーツはごく一部です。

例えば泥や砂利を敷き詰めたサーキットを周回するダートトライアル、直線コースのスタートからゴールまでを一直線に突き進むドラッグレース、ラリードライバーとフォーミュラドライバーが一同に介して特設コースを走行し「誰が世界で一番速いのか」を競う異種格闘技戦のレース・オブ・チャンピオンズなど、実に様々なレギュレーションのモータースポーツ大会が実施されています。

速く走る、あるいは上手く走る、ということについて、どうやら私たちは理屈では説明できない価値を見出しているようです。現在はモータースポーツ専門のインターネット中継チャンネルなどもあります。

もちろん会場観戦に比べれば臨場感は低くなってしまいますが、遠くのサーキットまで出向かなくても世界中のレースを観ることができます。チャンネル加入の無料期間などを利用して、まずは面白そうなレースから観戦してみてはいかがでしょうか。

今回の記事をきっかけに、モータースポーツにも興味を持って頂ければ幸いです。

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