公開日:2018.04.24 更新日: 2018.05.01

洗車だけでは不十分!タイヤもお手入れをしましょう

タイヤの手入れは洗車だけでは不十分だって知っていましたか。洗剤やワックスは使ったほうがいいのか、ゴムを劣化させないためにはどうすればいいのか、注意事項やホイールの扱い、保管についてもご案内します。

車のお手入れとして誰もが手軽に行えることは洗車でしょう。洗車をこまめに行うことで、見た目の汚れを落とせるだけでなく、車体の塗装が剥げたり、フロントガラスに傷が付いたりすることを防いでくれます。ですが、タイヤについてはあまりお手入れをしていない、という方も多いのではないでしょうか。

一般に、サマータイヤは最長で6年、スタッドレスタイヤは最長で3年が寿命と言われています。ですが、タイヤのお手入れをしてあげないと、寿命は上記の年限より縮まってしまいます。今回は見過ごしがちなタイヤのお手入れについて解説します。

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タイヤの洗い方

車を運転していると、タイヤには様々な汚れが付着します。タイヤは合成ゴムで作られた化学製品ですから、汚れの成分と反応してゴムが変質してしまいます。また、土などの汚れは水分を吸収しやすいため、加水分解と呼ばれる反応を起こしてタイヤのゴムを劣化させてしまいます。タイヤが劣化するとタイヤの寿命が縮まるだけでなく、バーストなどの重大な事故に繋がる可能性もあります。定期的にお手入れをほどこし、汚れを落とすことでタイヤの劣化を防ぎましょう。

まず大原則として、お手入れとしてタイヤを洗う際には水かぬるま湯を使いましょう。お手入れといえば洗剤やタイヤワックスの使用を考える方もいらっしゃるでしょうが、洗剤やタイヤワックスの使用には注意が必要です。

タイヤのゴムには製造時から劣化を防止するための保護材が配合されています。洗剤やタイヤワックスを使うと、この保護材まで洗い流してしまいます。どうしても汚れが気になる場合は薄めた中性洗剤で軽く洗う程度にしましょう。ワックスについても、どうしても使いたい場合は水性のワックスをタイヤ側面のみに留め、地面と接するトレッド部分には使わないようにしましょう。

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次に洗い方について。まずホースで水をかけ、表面の汚れを落としましょう。高圧洗浄機を利用する場合は注意が必要です。タイヤに強すぎる水圧がかかるとタイヤのゴムにダメージを与えてしまいます。ノズルからタイヤまでの距離を取って水をかけましょう。続いて、ブラシを使って水をかけるだけでは落とせなかった汚れを落としていきましょう。

特にタイヤの溝は水をかけるだけのお手入れでは汚れが落ちにくい部分です。ブラシはナイロンのような柔らかい素材のものを使い、軽くこすりましょう。また、固すぎる素材のブラシはタイヤを傷つけるおそれがあります。お手入れをすることでタイヤを傷つけてしまっては片手落ちです。正しい洗い方を覚えておきましょう。

見落としがちなのがタイヤハウスと呼ばれる、車体がタイヤを覆っている部分の汚れです。タイヤから跳ねる泥などを受け止める部分であり、汚れがこびりつきやすい部分です。放置していると、汚れの成分を含んだ水分がタイヤに滴ってしまい、せっかくのお手入れが無駄になってしまう、なんてことも。

タイヤハウスについては、水だけでは汚れが落ちないでしょう。中性洗剤などをブラシに付けて洗い、なるべくタイヤへ洗浄がかからないよう注意して水をかけ、汚れと洗剤を流しましょう。

タイヤの洗浄が終わったら、仕上げとして乾燥させましょう。雑巾やタオルで拭いて乾燥を早めるとなおよいでしょう。

大型連休、お盆、年末年始といった旅行シーズンの後、長旅で付いた汚れを落とすために洗車を行う方は、タイヤの汚れについても目を向けてはいかがでしょうか。

スタッドレスタイヤのお手入れ

スタッドレスタイヤはサマータイヤより入念にお手入れをしてあげる必要があります。スタッドレスタイヤにはサマータイヤと同じような溝の他に、サイプと呼ばれる細い切れ込みが無数に刻まれています。サイプはタイヤと路面の接触を増やすことで制動性能を高める、という重要な役割を担っています。その反面、汚れが入り込みやすいという特徴も持っています。

ごく微量ではありますが、雪には様々な空気中の化学物質が溶け込んでいます。少しずつではあっても確実に、タイヤと化学反応を起こしてしまいます。また、冬期の路面にはしばしば、凍結防止剤として塩化カルシウムがまかれています。

もちろん、塩化カルシウムは水に溶けることで融点を下げ、凍結を防止するという重要な役割を担っているため安全上は必要不可欠なものです。ですが、水に溶けるということはサイプに入り込みやすいということでもあります。

冬に水を使ってタイヤのお手入れをするというのは考えるだけでも億劫なものです。ですが、厳寒期が過ぎてスタッドレスタイヤからサマータイヤへ交換するタイミングなど、「ついで」でもよいのでお手入れをしてあげてはいかがでしょうか。また、ガソリンスタンドやカー用品店の手洗い洗車サービスも検討してみましょう。

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洗車機に比べると割高なサービスですが、プロが丁寧に汚れを落としてくれるため、素人が道具を揃えて時間をかけて手入れするよりも結果的に安くつく、という考え方もできます。また、機械では落とせない部分の汚れ、例えばワイパーの付け根やドアノブといった部分まで洗ってくれます。

タイヤの保管方法

丁寧にお手入れをしても、保管方法が正しくないとタイヤの寿命は縮まってしまいます。タイヤの大敵は直射日光と湿気。日光に含まれる紫外線はタイヤのゴムを急速に劣化させてしまいます。夏の炎天下、屋外に駐車しておいたタイヤの表面がパリパリになっていた、という経験はないでしょうか? あの現象はまさに、紫外線が目の前でゴムを劣化させている真っ最中なのです。

また、タイヤのゴムは水分と触れあうことで加水分解と呼ばれる反応を起こし、劣化してしまいます。シャープペンシルのグリップや、日用品を束ねておいた輪ゴムなど、長く使っていたゴム製品の表面がベトベトになってしまった、という経験は誰にでもあることでしょう。同様の現象がタイヤでも発生します。

せっかくお手入れをしたのですから、タイヤを保管する際にも気を遣いたいものです。ベストな場所はガレージや物置などの「風通しの良い日陰」です。マンションなどにお住まいの方は、ひと工夫することでベランダで保管することも可能です。通気性を確保するためにすのこなどを敷き、紫外線を遮断できるタイヤカバーをかけることで、直射日光と湿気を防ぐことができます。

普段利用しているタイヤについても、駐車時には日陰に駐める、水気が多い場所での駐車は控える、といった心がけが重要です。特に夏場は炎天下での駐車が多くなりますし、海や川べりといった水場へのお出かけが増えがちです。駐車場や走行経路にも少し気を遣ってみましょう。

まとめ

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今回は見過ごしがちなタイヤのお手入れについてご説明しました。日常的に行えるタイヤのお手入れとしてはタイヤの洗浄が挙げられます。洗剤やワックスはなるべく使わず、水とブラシで洗いましょう。スタッドレスタイヤの場合はサイプに汚れや化学物質が入り込みやすいため、特に注意しましょう。

また、せっかくお手入れをしても、誤った方法でタイヤを保管してしまってはお手入れの効果が無駄になってしまいます。直射日光と湿気を避け、適切に保管しましょう。

タイヤは自動車部品の中でも特に交換サイクルが早い消耗品です。時間経過による劣化は避けられないことですが、こまめに手入れをしてあげることで長持ちさせることができます。また、タイヤは車体を支え、同時にエンジンの駆動力を地面に直接伝える重要な部品でもあります。安全で快適なドライブを実現するという観点からも、タイヤのお手入れについて考えてみてはいかがでしょうか。

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