公開日:2019.10.29

タイヤを収納するのに最適な場所、保管方法とは?劣化させないように保管するためのポイントを解説!

季節の変わり目で、必ずといっていいほど避けて通れない「タイヤ交換」

使わないタイヤを自宅で保管しているという人もいますよね。タイヤは使ってなくても劣化するもの。いわば消耗品ですが決して安くはありません。

タイヤにとって快適で適切な保管方法を知れば、早期劣化を防ぐことができ、タイヤはぐんと長持ちします。

今回はオフシーズン中のタイヤの最適な保管方法などについてご紹介します。

タイヤの劣化による2大リスク

事故や故障の原因になる

タイヤの耐年数はだいたい3年から5年といわれています。劣化したタイヤをそのまま使い続けることや、劣化により起こるリスクが事故や故障です。

ひび割れを起こし、走行中に突然タイヤが破裂(バースト)したり、タイヤがすり減ってハンドルやブレーキが利かなくなるなど、運転性能にも支障をきたします。

スリップを起こしたりするなど、場合によっては命に関わる大事故につながる恐れもあります。

買い替えによるコストが増える

タイヤ1本あたりだいたい10,000円から50,000円と大きさやグレードによっても差はありますが、決して安い買い物ではないですね。

早期劣化はコストの面でもリスクが大きいです。

早期劣化を防ぐ方法を知って、タイヤのコストを少なくすることができれば、他のパーツに費用をかけられるというメリットがあります。

タイヤの劣化について

タイヤは材料のほとんどがゴムでできています。わかりやすい身近な例えを挙げると輪ゴム。

長い間全く使っていない輪ゴムを使おうとした際に、すぐにボロボロと切れてしまった…。なんて経験はありませんか?

タイヤも同じ。履いていなくても、使用していなくても、保管方法や環境によっては、ひび割れなどの劣化が早まってしまうことも。

安全で快適な車との生活を楽しむには、タイヤの特徴や耐年数を知り、正しいケアの方法を知っておくことは必要不可欠です。

夏用タイヤと冬用タイヤの違いは?

特徴

夏用タイヤ(ノーマルタイヤ)は熱いアスファルトを走行することを想定しているので、硬いゴムでできているのが特徴です。

一方、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)はつるつると滑りやすい地面でもしっかりとグリップして滑らず走行できるように、軟らかいゴムで、タイヤの溝もノーマルタイヤと比べると深く作ってあります。

耐年数

夏用タイヤはゴムが硬く熱に強くできているので、耐年数は製造年から5年程度です。

冬用タイヤはゴムが軟らかく、劣化も比較的しやすいので製造年から数えて3年から4年経っていたら替え時です。

タイヤの替え時・耐年数はあくまでも「製造年」から。履き始めてからではなく、タイヤに刻印されている製造年を確認しておくのが重要です。

劣化を防ぐ保管方法

熱に強い硬いゴムでできている夏用タイヤと、つるつるした滑りやすい地面でも滑らないように軟らかいゴムで作られている冬用タイヤ。

大きな違いはゴムの硬さにあるわけですが、材料はどちらもゴム。劣化を防ぐお手入れや、保管の方法の違いはありません。

タイヤが早期劣化しないためには?

ゴムでできているタイヤは、使用していてもいなくても自然劣化はどうしても防げないもの。

しかし、お手入れや保管方法でタイヤの耐年数は大きく差ができるんですよ。

ポイントは保管の「方法」と「場所」。

その2つのポイントさえ押さえたら、タイヤの早期劣化を防ぐことができ、タイヤを長持ちさせることができます。

タイヤの劣化として多いのは「ひび割れ」です。そしてその原因は紫外線や湿気によるものや、ワックスのかけすぎなどが挙げられます。

タイヤの原料であるゴムの特性を知り、ゴムが劣化する要因を出来るだけ排除することが大切です。

保管場所についてのポイント!避けるべき2つの場所と対策

1トンもの車体を乗せて高速で回転するタイヤは、一見とても強靭なパーツに見えますが実はゴム製で繊細です。

シーズンオフ中はタイヤにとって快適な場所で保管をすることが劣化を防ぐ重要なポイント。

最近ではシーズンオフで使わないタイヤを有料で保管してくれるサービスもあるようです。

それでは、自宅でタイヤを保管する場合はどのような場所で保管するのがベストなのでしょうか?注意すべき点は4つあります。

直射日光が当たる場所

タイヤの原材料は50%がゴムですが、その他の材料では「タイヤコード」というタイヤの形状を保つ繊維があります。

そのタイヤコードの天敵が紫外線。紫外線の強い直射日光が当たる場所にカバーなどもかけずに保管しておくと、劣化が進んでしまいます。

タイヤコードが劣化すると、タイヤの形状を保つ鋼性が弱くなり、安全な運転に悪影響を及ぼしてしまうこともあります。

また、ゴムの劣化の原因にもなるオゾンは直射日光が当たる場所や高圧線、水銀灯の近くなどでは濃度が高くなります。

タイヤを保管する上で最適といわれているのが25度前後。特に夏場などはなるべく一日中日陰になるような場所を選びましょう。

湿気の多い場所

ゴムが長期間湿気や水に浸されていると、加水分解という現象が起こります。

この現象が起きるとゴムが崩れやすくなったりしてひび割れの原因にもなります。

ゴムは一般的には水に強いものとされていますが、一方で水以外の成分であるアルカリ性や酸性に弱いといわれています。

特に雨水にはアルカリ性だけではなく、微量ですが酸性も含まれています。

また、ホイール付きタイヤの場合、湿気はホイールタイヤのサビや腐食の原因にも。

特に濡れている地面や雨ざらしになる屋外、湿気が多いじめじめとした密閉された場所での保管は避けましょう。

適切な保管場所が確保できない場合

自宅がマンションやアパートなどの集合住宅といった場合はなかなかタイヤを保管しておくスペースがないということもあります。

そんな方におすすめなのがカー用品店やガソリンスタンドなどが行っている「タイヤ保管サービス」。

タイヤにとって快適で劣化を最大限防ぐ環境でタイヤを保管してくれるので、重いタイヤを自宅まで運ぶ必要も、自宅での保管場所の確保に悩むこともなくなります。

料金はタイヤのサイズや期間などによって多少異なりますが平均で10,000円~20,000円ほど(1年間契約)。

自宅で無理して、タイヤに適さない場所に保管してしまってタイヤの早期劣化をさせてしまい、頻繁に買い替えてしまうかもしれません。

そう考えたら、タイヤ保管サービスはとてもうれしいサービスなのではないでしょうか。

保管方法についてのポイント

汚れをきれいに洗浄

最初に、タイヤの表面や溝に入り込んでいる砂や泥、細かいごみなどを取り除きます。

ごみや砂・泥は水を吸収しやすくそのまま放置しておいた状態にしておくと汚れている部分が常に水分に接していることになります。それによってゴムの加水分解を起こし、ひび割れなどの劣化の原因ともなります。

タイヤを外した後に最初にすることはタイヤ洗浄ブラシなどを使ってタイヤの汚れを取り除くこと。

部屋の掃除をする時でも最初に掃除機である程度のホコリやごみを吸い取ってから水拭きをするという順番で掃除をしますね。

タイヤのお手入れも同じ。一番最初にタイヤについている汚れを取り除くことが重要です。

普段、タイヤのお手入れはついつい後回しにしがちですが「今日はタイヤがちょっと汚れたな。」という日は軽くブラシで汚れを取り除くだけでも、汚れによる劣化は防げますよ。

ワックスや洗浄剤は使用しない

ワックスや洗浄剤には油分や界面活性剤が含まれているものもあります。それらはゴムを傷める成分も含まれている場合も。

タイヤを洗う際には水洗いが基本。もしもどうしても洗浄剤を使用したいという場合は原液ではなく水で薄めたものを使用するようにしてください。

そしてすすぎは洗浄剤が残らないように念入りに行うこと。洗浄剤が残っていることもタイヤを傷める原因になります。

皆さんが日頃頭を洗う時に使用しているシャンプーやコンディショナーも、洗った後や塗布した後はしっかりとすすぎをしないと頭皮や髪を傷める原因になりますよね。

タイヤも人間と同じように自然に劣化(経年劣化)をしてしまうものです。

きちんと正しいお手入れをしていれば耐年数の範囲内で長くきれいに保てるものなのです。

充分な乾燥

タイヤの天敵は水分と高温。きれいに洗った後は充分な乾燥を行ってから収納しましょう。

充分に乾燥をしないままカバーやビニール袋などに入れてしまうと、カバーや袋内に湿気が溜まり、カビなども発生しかねません。

濡れた状態の不衛生な状態のまま長期間保管することになり、結果的にはタイヤの劣化に直結します。

タイヤ交換の季節になって、保管していたタイヤを出したらひび割れしていた…!なんてことも。

人間も、体や髪の毛が濡れたまま放置されるのは気持ちが良いものではありませんよね。

きれいに洗うのも大切ですが、そのあとしっかり乾かすことも忘れずに。

乾燥をさせる場所はできる限り直射日光や多湿になる場所を避け、陰干しできる場所がベストです。

ホイール付きタイヤは空気を抜きましょう

ホイール付きで保管をする場合は、空気圧を下げずにそのまま保管をしてしまうとタイヤ内部からの非常に高い圧力によってタイヤがひび割れを起こしてしまう場合があります。

つまりは使っていないにもかかわらず、ずっとタイヤに負荷がかかっている状態です。

これではどんなにタイヤに適した場所で保管をして休ませていても、タイヤの中から負荷をかけてしまっている状態では意味がありません。

使用しないホイール付きのタイヤの空気圧は使用時適正値の半分ほどに抜いてから保管をしましょう。

ビニール袋や専用カバーに入れて

保管している場所が高温多湿にならず、直射日光も高圧電線も近くにないといったタイヤにとってパーフェクトな環境で保管する場合は必要ないかと思いますが、自宅で保管する場合はそんな場所を探すだけでも一苦労ですね。

特にマンションやアパートなどの集合住宅であればベランダでタイヤを保管しているという人も多いのではないでしょうか。

どんな場所でも必ずビニール袋に入れて保管し、日光を避けられる保管場所が無かった場合は遮光性の高い専用カバーに入れて保管するようにしましょう。

置き方や向きにも注意を

タイヤを保管する上で見落としがちなポイントが、置く向き。

保管するタイヤがホイール付きかタイヤのみかで保管する際の置く向きが違います。

ホイール付きタイヤは横に倒して重ねて保管してOKです。気を付けなくてはいけないのがホイール付きではないタイヤを保管する場合です。

タイヤのみの場合は縦に立てて保管します。

ホイール付きと同様に横に倒して重ねて積んで置いて保管をしてしまうと、タイヤのフチの部分に圧力がかかってしまいます。

それはひび割れの原因になり、劣化を進めてしまうことになります。

タイヤを上手に大切に保管して快適なカーライフを!

エンジン同様、車を動かし、乗っている私たちを目的地まで安全に快適に運ぶためにタイヤも重要な働きをします。

一番汚れるパーツと言っても過言ではないタイヤ。耐年数の範囲内で、できるだけ長く使いたいものですね。

正しい保管方法や日頃のメンテナンス方法を知って、安全で快適なカーライフを送りましょう!

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