タイヤワックスの使い方について
タイヤワックスの使い方についてまとめてみました。表面をコーディングすることでにツヤが出て、汚れにくくなるだけではなく、紫外線予防にも効果があります。ここではその塗り方や塗る際の注意点等細かく解説しております。
タイヤは車の駆動力や制動力を伝えたり、車の重量を支えたりする役割を担う部品です。一方で車の見た目にも大きく影響する部品ですので、様々なドレスアップ手段があります。タイヤワックスもドレスアップ手段のひとつ。タイヤを美しく見せてくれます。
ただし、タイヤは主にゴムを主成分とする化学製品です。タイヤワックスを塗るということは薬品を塗ることに他なりませんから、誤った使い方をしてしまうとタイヤの寿命を縮めてしまう他、ボディやホイールを汚してしまうことにも繋がります。今回はタイヤワックスについて、基礎知識から塗り方まで通してお伝えします。
目次
タイヤワックスとは?
単にタイヤを使い続けていると、経年変化によってタイヤの表面がすりガラスのような、くすんだ色合いになります。洗車でボディがピカピカになっても、タイヤの色合いがくすんでいてはちょっと残念です。
ここで、タイヤの表面にツヤを出すために使われるのがタイヤワックスです。主にシリコーンが配合されており、タイヤ表面の細かな凹凸をコーティングすることでツヤを出してくれます。
また、タイヤの表面をコーティングすることで、汚れがタイヤに直接付着しにくくなりますし、紫外線を防ぐ材料が配合されているワックスであればタイヤの天敵である紫外線の対策にもなります。ちなみに、厳密に言うとシリコンは原子のケイ素の英訳で、シリコーンはシリコン樹脂のことです。
さて、タイヤワックスは大きく分けて、油性と水性の二種類に分類できます。シリコーンを溶かしている溶剤が油性か、水性か、という違いです。溶剤の違いによって、ワックスの特性も異なってきます。
・油性
シリコーンは油によく溶けます(親油性がある、といいます)。油と水、という表現があるように、油性のワックスは水をよく弾くため、雨に強いという特徴があります。これにより、油性のワックスは一度塗ると長持ちします。また、水性のワックスに比べると安価な場合が多いようです。
ですが、もちろんデメリットもあります。タイヤもまた親油性の化学製品であり、油分が浸透しやすいという特徴を持っています。したがって油性のワックスはタイヤに染み込みやすく、長い目で見るとタイヤにダメージを与えやすくなってしまいます。
・水性
簡単に言うと、水性のワックスは油性のワックスとは逆の特徴を持っています。溶剤が水性であるため、タイヤにダメージを与える心配が小さいのですが、水を浴びるとシリコーンが流れ落ちてしまうため、雨に弱いという特徴があります。
したがって、油性のワックスに比べると塗り直しの手間が多くなります。タイヤ本体も水を弾きやすいため、水性のワックスは油性のワックスに比べて塗りづらいというデメリットもあります。また、油性のワックスに比べると高価な場合が多いようです。
一般に、カー用品店やタイヤメーカー、カーディーラーといった専門業者はタイヤにダメージを与えやすい油性の製品ではなく、水性の製品を使う場合が多いようです。タイヤがダメージを受けると、まず発生する症状はひび割れです。
ひび割れが大きくなるとパンクやバーストに繋がりますから、安全を第一に考慮するなら水性の製品を選ぶ方が良いでしょう。 製品には必ず油性か水性か、どちらかの区別が表記されています。
もし表記が見つからなかった場合は、店員さんに尋ねてみましょう。もしかしたら詳しい店員さんがいまオススメのタイヤ製品を紹介してくれるかもしれません。
ワックスを塗る前に
よく「塗料を塗る前には表面を綺麗にしてください」と言われます。タイヤワックスも同様に、タイヤへ塗る前にタイヤを洗浄しましょう。もし洗浄しないまま塗ってしまうと、タイヤ表面に付いた汚れを閉じこめることになってしまいます。
タイヤを洗うときは「水かぬるま湯で流す」ということを覚えておきましょう。洗剤は必要ありません。溝などにこびりついた汚れはブラシなどを使って除去することになりますが、金属ブラシのようなあまり固いブラシを使ってしまうと、タイヤにダメージを与えることになってしまいます。
シュロを束ねた普通のタワシや、ナイロン素材のブラシであれば問題ありません。丁寧に汚れを落としましょう。
ワックスの塗り方
液体状のもの、スプレータイプのもの、固形タイプのものなど、様々な形の製品がありますが、塗り方について共通することが三点あります。
・サイドウォールに塗る
ワックスはタイヤの側面、サイドウォールに塗るものです。タイヤと路面が接触する部分、トレッド面には塗らないでください。トレッド面にワックスを塗るということは、靴の裏に油を塗るようなものです。
トレッド面は常に摩耗しますから、塗ったとしてもほとんど無意味なのですが、摩耗してワックスが落ちるまではグリップ力が低下してしまいます。くれぐれもトレッド面には塗らないようにしましょう。
・ホイールに付着させない
ワックスはタイヤに塗るためのものです。ホイールに付着してしまうと、ほこりなどを吸着して汚れの原因となってしまいます。タイヤのツヤを出すために塗っているのに、ホイールが汚れてしまっては本末転倒です。
ですが、スプレータイプの場合、中身が缶から噴射されるためホイールに付着しないように塗るのは難しいものです。ここで、ひとつ工夫をお教えしましょう。塗料を付着させたくない部分は、隠してしまえばいいのです。
プラモデル工作などではマスキングと呼ばれます。粘着力の弱い養生テープなどをホイールに貼り、その上か噴射すると、綺麗に塗ることができます。ホイール全体に養生テープを貼るのは現実的ではありませんから、要らないチラシなどでホイールを覆い、要所を養生テープで留める、という方法でも良いでしょう。
・塗りすぎない
ワックスを塗りすぎるとタイヤから剥がれ、あちこちに飛散してしまいます。周囲に迷惑ですし、ボディやホイールにワックスが付着することで汚れの原因にもなってしまいます。塗り終わったあとは、古着やタオルなど、汚れてもいい要らない布(ウエス)で軽く拭き取ると良いでしょう。
まとめ
今回はタイヤワックスについて、基礎知識から塗り方まで通してお伝えしました。ワックスはタイヤのツヤを出してくれるだけでなく、表面をコーティングすることで汚れを着きにくくしたり、タイヤの天敵である紫外線を防いでくれたりします。
ワックスには主に二種類があります。油性のワックスは安価で塗りやすく雨に濡れても落ちにくいというメリットがある反面、タイヤにダメージを与えやすいというデメリットがあります。水性のワックスはタイヤにダメージを与えにくいというメリットがありますが、高価で塗りにくく雨に濡れると落ちやすい、というデメリットがあります。
タイヤは安全が第一ですから、デメリットを考慮しても水性の製品を選んだ方が良いでしょう。カー用品店などの専門業者も、水性の製品を使用している場合が多いようです。
最後に、ワックスの塗り方について注意したいポイントを三つ挙げました。サイドウォールに塗る、ホイールに付着させない、塗りすぎない、の三点です。ホイールに付着させないというポイントが難しいと感じられるかもしれませんが、塗る前にホイールを隠してしまうなど、工夫によって解決することができます。
せっかくボディを綺麗にしているなら、タイヤも綺麗に見せたいものです。今回の記事が、あなたの素敵なカーライフに繋がれば幸いです。