公開日:2018.06.26 更新日: 2019.10.24

タイヤの修理方法を身につけよう!

タイヤの修理ってどうやるの。意外と方法を知らない方も多いと思います。車がパンクしたらどうすればいいか?すぐに直せるもの、直せないもの以外にも、キットの活用なども詳しく解説します。万が一のトラブルに備えて、正しい知識を学習しておきましょう。

意外に思われるかもしれませんが、現在の道路運送車両法には一般の乗用車に対するスペアタイヤの装着義務がありません。とはいえ、多くの自動車メーカーは安全の観点から、スペアタイヤを装着するか、スペアタイヤの代わりにタイヤのパンクを修理できるキットを搭載しています。

近年は軽量化を目的とした燃費向上、車内空間の活用などを目的として、パンク修理キットを装着する自動車の割合も増えました。

では、このキットはどのようなときにどう使えばよいのでしょうか?今回は、近年の自家用車に多く搭載されるようになったパンク修理キットについて、使える場合と使えない場合、キットを購入する際に気をつけたいことを解説します。

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修理できるパンク

パンクなどでタイヤが破損した際、修理できるかどうかは「物理的に穴を塞ぐことができるか」ということではなく「修理した後、道路運送車両法に違反せず安全に走れるか」ということが基準となります。

極端な例ですが、タイヤが破裂して亀裂が入ってしまうバーストの場合、手を尽くして穴を塞いだとしても安全に走ることはできないため、修理はできないと判断すべきでしょう。

パンクについてもドライバーが修理できる場合は限られています。タイヤのうち、路面に接する部分、いわゆるトレッド面に小さな穴が空いている場合にはキットを利用してタイヤを修理できる可能性が高いと言えます。

トレッド面に穴が空くのは、多くの場合クギやネジのような尖った異物を踏んだときです。一般に、タイヤがパンクするとハンドルが重くなる、車体がふらつく、通常とは違う音や振動を感じる、といった異常の他に、異物が路面と何度も接触するためにカチカチと音が鳴ることがあります。

ところで、各種統計データを見ると、パンクが発生する部位は前輪タイヤより後輪タイヤの方が圧倒的に多くなっています。

これは前輪タイヤが異物を跳ね上げ、鋭利な部位が上に向いた時に後輪タイヤが異物を巻き込んで踏む、という現象に由来するようです。どうやらパンクしたらしい、という時には、まず後輪タイヤを確認すると良いでしょう。

修理できないパンク

トレッド面に空いた穴があまりに大きく、キットが対応できるサイズを超えている場合には修理することができません。また、トレッド面の傷であっても、穴状ではなく裂け目ができるように損傷している場合には残念ながらタイヤを修理することができません。

裂け目の両端は負荷がかかるにつれて伸びていきます。キットの接着剤では、裂け目が伸びることまでは阻止できません。

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タイヤの側面、サイドウォールに穴が空く場合もあります。多くの場合、縁石などの障害物に側面をこするか、あるいはイタズラによるものです。残念ながらこの場合も修理できません。サイドウォールはトレッド面に比べてゴムが薄いため、キットを使って穴を塞いだとしても、負荷がかかると損傷が拡大するためです。

パンクとは異なりますが、タイヤがバーストした場合も修理は不可能です。バーストは見た目からして修理不可能と知れる状態ですので、すぐに安全を確保し、ロードサービスに救援を要請しましょう。

JAF(日本自動車連盟)は非会員の方であっても救援要請を受け付けています。会員に比べて費用は割高となりますが、いざという時のために覚えておくと良いでしょう。

以上のように、修理できない損傷をタイヤが受けた場合はタイヤを交換することになります。高額な出費にはなりますが、安全には代えられません。キットによるパンク修理はあくまで緊急措置であることを念頭に置きましょう。

パンクの修理方法

パンクに気付いた場合、まずは慌てずに安全確保を行ってください。パンクは徐々に空気が抜ける現象ですので、早めに気付けばある程度の距離を走行できます。一般道では交通量が少なく、傾斜が無い平坦な場所に駐車してください。

高速道路を走行している最中にパンクに気付いた場合は、ハザードランプを点灯しながらゆるやかに減速し、非常駐車帯などの安全な場所に自動車を移動させてください。後続車に注意しつつ停止版を置き、発煙筒を焚きます。

また、必ず道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡し、ガードレールの外側など、安全な場所で待機してください。高速道路の人身事故として、異常を感じて非常駐車帯に駐車したのち、自動車の付近をうろうろしていたところに後続車両が追突した、というパターンがあります。

道路緊急ダイヤルに連絡すると交通管理隊が駆けつけますので、それまでは修理作業等を行わず、おとなしく待機してください。

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安全を確保したらタイヤの状態を確認しましょう。先述したように、キットで修理できるのは「トレッド面の小さな穴」だけです。

それ以外の損傷が発生していることを確認した場合、あるいは損傷箇所を発見できない場合は、最寄りのカー用品店やカーディーラーに持ち込みましょう。

キットで修復できる穴であることを確認できた場合、修理の手順に入りましょう。詳細な手順につきましては製品によって手順に違いがありますので、各製品の説明書に譲ることとします。

タイヤ修理キットをカー用品店などで購入する際の注意事項としては、対応しているタイヤのサイズに限りがあるという点が挙げられます。

もう一点、注意すべきことを挙げます。キットを利用してタイヤに空気を入れる際はエアーコンプレッサーに圧縮ガスのボンベを接続する場合が多いのですが、ガスの中身が二酸化炭素(CO2)となっている場合があります。

交通事故などによってガスボンベが破裂しても火災を誘発しにくいという点では CO2 が充填されている製品の方が安心なのですが、 CO2 はタイヤのゴムを透過しやすいという性質があります。

したがって、 CO2 のボンベを利用して空気を充填した場合は、なるべく早めに普通の空気を入れ直しましょう。

パンク修理を業者へ依頼する場合

パンクが発生した際、自分で修理するのではなく、カー用品店やガソリンスタンドなどに持ち込んでパンク修理を依頼することも考えられます。

修理方法や、パンク原因にもよりますが、おおむね 1,000 ~ 5,000 円の工賃がかかるようです。ちなみに、パンク修理キットの価格は、物にもよりますがおおむね 2,000 円程度です。

ここで、依頼を受けた店舗のスタッフが「修理できない」と判断した場合は、タイヤを交換することになります。

店舗のスタッフが「タイヤを交換した方が良い」と提案したのなら「修理できないことを口実にしてタイヤを売りつけようとしているのではないか」などと変に勘ぐらず、素直に交換した方が良いでしょう。本当にタイヤ交換が必要である場合を考慮するなら、交換の提案に応じた方が安全です。

まとめ

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自動車のトラブルの中でも、タイヤのトラブルは重大な事故に繋がる可能性が高いため、特に気をつけたいものです。JAF(日本自動車連盟)が発表している資料によると、高速道路におけるトラブル出動のうち 30%がタイヤに関するトラブルである、とされています。

また、一般道路におけるトラブル出動でも 10%がタイヤに由来するものであるとされています。

カーフロンティア社の調査でも、新品のタイヤを購入した後、半数以上のユーザーが3年以内にパンクを経験しています。意外と身近なトラブルであるタイヤのパンク。昔から、備えあれば憂いなしと言います。

もしタイヤがパンクした場合でも、修理が可能か否か判断できるように知識を得ておき、とっさの応急処置としてパンク修理ができるよう手順を習得しておくことは、決して無駄にはならないでしょう。

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