インチアップタイヤを装着し、愛車のカスタマイズを楽しむ人の中にはホイールの「ガリ傷」に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
「通れる道幅だと思ったのに、縁石にタイヤを擦ってしまった」多くの人が一度は経験していると思います。
ホイールにガリ傷がついてしまったとき、実は業者へ修理を依頼する方法以外にも、自分で修理が可能な場合があることをご存知でしょうか?
今回はガリ傷がついてしまったときの修理方法から費用、必要な材料まで詳しく解説していきます。
目次
ホイールの「ガリ傷」とは?
車が走行する道路は決して平坦なものばかりではありません。
さまざまな障害物や悪路など、過酷な環境下に晒されていることは意外と多いものです。
特に駐車場などから道路へ合流する際、縁石に接触してしまうというケースは多くの人が一度は経験しているのではないでしょうか。
他にも、立体駐車場などの狭い場所で縁石に接触したり、車同士の接触事故など、大きな事故にはならなくとも「少し擦った」程度のトラブルは少なくありません。
このとき、車体に大きな傷や凹みはなかったとしても、ホイールの形状やサイズによっては、接触した際にリム部分に傷がついてしまうことがあります。
これが通称「ガリ傷」とよばれているものです。
ガリ傷を直すために必要な費用
ガリ傷の範囲や傷の大きさなどによっても変わりますが、ディーラーや自動車修理業者へ修理を依頼した場合、概算で5,000~30,000円程度が修理費用の相場といわれています。
pこれはホイール1本分の料金なので、修理対象が複数の場合はさらに費用がかかってしまいます。
ガリ傷はさまざまなパターンがありますが、損傷の度合いによっては業者に依頼しなくても自分で修理することが可能な場合もあります。
自分で修理を行う場合は、材料・工具を準備するだけなので3,000~5,000円程度に抑えることが可能です。
まずは業者に見積もりを取り、金額がそれほど高額でなければ依頼するというのがベストな方法です。
しかし、数万円単位での見積もりとなった場合、まずは自分で修理可能な状態かどうかを判断し、自分で修理を行うか業者に依頼するかを見極めるということが必要になります。
自分で修理が可能であるかを判断するポイント
自分で修理が可能な傷であるかを判断するためには、主に2つのポイントを見極める必要があります。
1つ目のポイントは、「ホイールに歪みや割れがないか」です。
あまりにも大きな衝撃がホイールに加わった場合、その影響でホイールそのものが大きく変形したり、ヒビが入ることがあります。
このような場合、ホイールのリペアが必要になったり、場合によっては修理不能なケースもあるため専門の業者に依頼して見てもらいましょう。
ちなみに非常に軽微な変形の場合、ハンマーで叩いて自分で直すことも可能です。
2つ目のポイントは、「ホイールに特殊素材や加工が施されていないか」という点です。
メッキ仕上げやツヤ消し仕上げなどの特殊な加工を施したホイールの場合、これからご紹介するガリ傷の修理方法を行うと塗装が剥げて修復できない状態になる恐れがあります。
自分で修理を検討する場合には、上記2つのポイントを必ず確認しておきましょう。
ガリ傷の修理に必要なものと作業手順
作業に入る前に、まずは以下のものを準備しましょう。
・カーシャンプー
・マスキングテープ
・ヤスリ
・耐水ペーパー
・脱脂剤
・アルミパテ剤
・塗料(スプレータイプ)
手順①:まずはホイールやタイヤについた汚れをしっかりと水洗いしましょう。
特にホイールに付着した汚れはカーシャンプーを使って念入りに除去します。
手順②:次に、タイヤへのパテの付着を防ぐため、マスキングテープをホイールとタイヤの境目に貼り付けていきましょう。
手順③:マスキングが完了したら、ガリ傷の部分をヤスリや耐水ペーパーを使って滑らかにしていきます。
傷の形状は千差万別だと思いますが、毛羽立っているようなザラザラした感触をなくすために、ヤスリや耐水ペーパーで少しずつ削っていきましょう。
最初は粗い目のヤスリを使い、徐々に目の細かい耐水ペーパーに切り替えていくときれいに仕上がります。
手順④:傷の部分が滑らかになってきたら、脱脂剤を使って油分を完全に除去します。
手順⑤:傷の部分にアルミパテ剤を盛ります。
周囲に比べて少し高い程度になることがポイントです。
あまり高く盛りすぎると、この後の削る作業の際に大変です。
手順⑥:耐水ペーパーを使ってアルミパテ剤を研磨していきます。
このとき、防水ペーパーを角材のようなものに巻きつけて作業することによって、均一に力が加わり、滑らかできれいな仕上がりになります。
手順⑦:研磨が完了したら、再び脱脂剤を使って油分を取り除きましょう。
これを十分に行わないと塗装が剥がれやすくなる原因になります。
手順⑧:塗料を使って傷口を塗装していきましょう。
最低2回は重ね塗りをすることによって、塗料が垂れ落ちてくることを防げます。
まとめ
ホイールの傷はあまり目立たないことも多く、ガリ傷がついたとしても放置する人は少なくありません。
しかし、インチアップした大きなホイールはデザイン性も高く、形状やデザイン、ホイールの色によっては少しのガリ傷であっても非常に目立ってしまうこともあります。
今回ご紹介したように、軽微なガリ傷であれば自分で修理することも可能です。
しかし、最も重要なのはガリ傷を作らないための安全運転を常に心がけるという意識だと思います。
狭い道路での無理な走行や駐車はなるべく避けるようにしましょう。