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タイヤの正しい保管方法が知りたい
タイヤは置いておくだけでも劣化する
車には絶対欠かせない部品のタイヤ。
近年ではカーショップやディーラーなどに出向かなくてもインターネットを使用して簡単に世界中のタイヤが手に入るようになりました。
インターネットで安いからと何気なく買ったタイヤをそのうち交換しよう、と放置してはいないでしょうか。
また、降雪地帯の方やスノーボードなどのウィンタースポーツを楽しみに雪山に出かけるという方はスタッドレスタイヤもしくは夏用タイヤをおよそ半年間ずつ保管しておくことになりますね。
その際、正しい方法でタイヤを保管していますか?
実はタイヤは、使用せず置いておくだけでも劣化するのです。
未使用のタイヤだからといって油断して何年も放置していると気が付いたら使用できない状態になっていた、ということもあり得ます。
タイヤの寿命とは
使用状態によっても異なりますが、一般的には夏用タイヤで4~5年が消費期限であるとされています。
この期間が過ぎたら全く使用できないのかといわれればそうではありません。
ですが、タイヤにひび割れなどが見つからず溝が十分に残っていたとしてもゴム部分の劣化の可能性があるので定期的な点検を行ったほうがいいでしょう。
未使用のタイヤの場合は製造後10年が一般的に寿命とされていますが、これは保管状態によってかなり左右されます。
タイヤの保管方法によってタイヤの寿命は変わる?
直射日光の当たる場所や雨のかかる場所などで保管されているなど保管状態が悪い場合は10年に満たない期間で使用できない状態になることもあります。
反対にきちんと管理されていれば10年以上たっても充分使用できる状態が保たれている場合もあるのです。
タイヤの寿命は一つの目安ではありますが、年月のみで判断するのではなくタイヤの状態をしっかりと見極めることが求められます。
タイヤの自宅での保管が必要な場合
インターネットで購入したタイヤ
かつてはタイヤはショップやディーラーに出かけて購入し、そのまま交換するという流れが一般的でした。
現在ではインターネットショッピングの普及によってその図式も成り立たなくなりつつあります。
車に興味がある、車が趣味という方ならインターネットサーフィンをしながら何となくタイヤをチェックすることもあるでしょう。
その際にお買い得のタイヤを見つけたりしてしまったらつい購入してしまうこと、あるのではないでしょうか。
現在流行しているアジアンタイヤなどの激安タイヤもインターネットなら豊富に見つかります。
持ち込みでタイヤ交換を行おうと思ってインターネットで購入し、忙しさに紛れてそのままになっている方もいるかもしれません。
一般的にインターネットでタイヤを購入した場合、タイヤは自宅に送られてきます。
車に装着されるまで、そのタイヤは自宅で保管されることになるでしょう。
スタッドレスなど季節によって履き替える場合
自宅でタイヤの保管が必要になるのは降雪地帯などで季節によってタイヤを履き替える場合。
冬の間は夏用タイヤを、夏の間はスタッドレスタイヤを保管しておくことになります。
海外ではタイヤ交換の必要がないオールシーズンタイヤが主流になりつつあるといわれていますが、日本ではまだあまり普及していないのが現状です。
タイヤを保管する前に行っておきたいこと
タイヤを保管する際には、タイヤをきちんとケアして保管できる状態にする必要があります。
この事前のケアを行うことでタイヤの劣化を防ぐことができるのです。
タイヤの汚れを落とす
まずはしっかりとタイヤの汚れを落としてください。
タイヤには砂や泥のほかにも油汚れや化学物質などが付着している上、スタッドレスタイヤの場合はタイヤを傷めてしまう融雪剤も付着したままになっています。
いずれもそのままにしておくとタイヤを劣化させてしまいますので、タイヤの保管前には必ず水洗いするようにしましょう。
異物チェック
タイヤを洗浄する際には一緒にタイヤに異物が残っていないかもチェックしてみましょう。
溝の部分に小石が挟まったままになっていたり、ガムなどが入り込んでいたりすることもあります。
異物があるまま保管してしまうとやはり劣化につながるため、しっかり確認して異物を取り除いておいてください。
洗剤は使用してもOK ?
タイヤを洗浄する際には水洗いがおすすめです。
タイヤには保護成分が浸透しており、この保護成分は油性のため洗剤を使用すると保護成分まで除去してしまい、タイヤの劣化につながるからです。
水洗いでどうしても落ちない頑固な汚れがある場合はその部分だけ薄めた中性洗剤などを使用し、汚れを落とした後は洗剤の成分が残らないようにすみずみまできちんと洗い流してください。
しっかりと水分を乾燥させる
タイヤを水洗いした後は水分をふき取ってから、しっかりと乾燥させます。
水分はタイヤの大敵です。水分が残ったままだと劣化しますしカビの原因にもなります。必ず保管前にはタイヤを乾燥させるようにしましょう。
タイヤワックスは使用するの?
現在ではさまざまなタイヤワックスが市販されていますね。普段タイヤワックスを使用している、という方もいらっしゃると思います。
ですがタイヤの保管時にはタイヤワックスは使用しないことをおすすめします。
タイヤに艶を与えたりするタイヤワックスは多くの製品が化学薬品を使用しています。
その成分がタイヤを劣化させる可能性があるので、タイヤを保管するときにはタイヤワックスの使用は避けたほうがいいでしょう。
正しいタイヤの保管方法
では、タイヤの正しい保管方法をご紹介しましょう。ポイントさえ押さえておけば自宅でもタイヤの劣化を最小限に抑えて保管できます。
タイヤの置き方
保管時のタイヤの置き方はホイールがついたままか、それともホイール無しかで変わってきます。
ホイールがついた状態でタイヤを保管する場合は横置きにしましょう。
縦置きにするとホイールの重みが接地面に集中するため、その部分のタイヤが変形しフラットスポットができる可能性があります。
ホイールを外しタイヤ単体で保管する場合には変形とサイドウォールの傷みを防ぐためにも縦置きするのが理想的ですが、スペースの関係などでそれが難しい場合は横置きでも問題ありません。
タイヤをいくつか重ねて横置きにする場合は、下のタイヤの変形を防ぐために時々上下を入れ替えてあげるとより安心ですね。
タイヤを置く場所
タイヤを保管する場所にも注意してください。タイヤは直射日光や水分によって劣化します。
屋外にそのままで放置というのは最悪なパターンです。
可能であれば物置やガレージなど、直射日光が当たらず雨を避けられる屋内で保管してください。
やむを得ず屋外に保管する場合はできるだけ雨や直射日光が当たらない場所に置くようにし、タイヤカバーを使用することをおすすめします。
物置などあまり普段人の出入りがない=空気の入れ替えがない場所に保管する場合は湿気がこもらないように定期的に空気の入れ替えを行うといいでしょう。
タイヤの劣化には関係ありませんが、床に直接タイヤを置くとタイヤの色が移ってしまうことがあるので注意してください。
段ボールなどを使用してもいいですが、通気性をよくするためにもすのこや専用のラックを使用するのも一つの方法です。
また、エアコンの室外機や自家発電機などから排出されるオゾンもタイヤ劣化の原因になるので、排気がタイヤに直接かからない場所に保管するようにしましょう。
タイヤの空気圧
タイヤを保管する際には空気を抜いて通常の半分程度の空気圧にするようにしてください。
使用している時と同じ空気圧だとタイヤに負担がかかり、劣化やひび割れなどの原因になります。
使用しない期間はできるだけタイヤのストレスを取り除いて休ませるようにしましょう。
タイヤ保管にあれば便利なグッズ
タイヤを自宅で保管する際に便利なグッズをご紹介します。
余裕があればこういったグッズを活用すると、よい良い状態でタイヤを保管できます。
タイヤラック(タイヤ収納庫)
タイヤラックを使用すると見た目よく、タイヤも安定しした状態で保管できるのでおすすめです。
玄関や車庫におけるコンパクトなタイプや庭などがある場合は物置タイプのタイヤ収納庫など、保管する場所に合わせて選ぶといいでしょう。
縦置きタイプと横置きタイプがあるので、ホイールを付けたまま保管するのかどうかで使い分けてください。
タイヤカバー
可能であればタイヤカバーをかけて保管するようにするとよりいいでしょう。
保管中のほこりを防ぐほかにも紫外線防止効果や防水効果など、タイヤを劣化から守る工夫がされています。
1個ずつ収納するタイプや4つまとめて収納するタイプなどさまざまなタイプがあるので保管場所や好みに合わせて使い勝手の良いものを選びましょう。
自宅保管がどうしても無理な場合は
タイヤ保管サービスを利用する
自宅にはどうしてもタイヤの保管スペースがない、という場合やタイヤの保管方法に自信がない、という場合はタイヤ保管サービスを利用するのも一つの方法です。
カー用品店やタイヤショップなどは有料でタイヤの保管サービスを行っています。
専門家が適切な方法でしっかりと管理してくれる上、タイヤの取り外しも行ってくれます。
自宅の庭などにタイヤを保管している場合は盗難の危険性もありますが、タイヤ保管サービスなら専用の倉庫で厳重に管理されるので安心というメリットもあります。
自宅でのタイヤ保管はそれほど難しいことはありません。
保管前にはしっかり洗浄し乾燥させる、紫外線やオゾン、雨を避けるなどいくつかのポイントさえしっかりと守っていれば十分自宅でも管理できることがお分かりいただけたのではないかと思います。
タイヤは「命を運ぶ」ともいわれる重要な部品です。タイヤには十分な気を配り、長く使用できるように適切に管理を行いましょう。